いちじ

観劇や史跡巡りが趣味な一般人 考察など色々

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最近の記事

ミュージカル『DEVIL』における『ファウスト』の要素とは

はじめに ミュージカル「DEVIL」大千秋楽おめでとうございます。 プレビュー版を拝見し、本公演を今かと待ち構えていましたが、プレビュー版とはまた違った演出、プレビュー版では披露されなかった楽曲、新しい訳詞など新たな発見がたくさんありました。 プレビュー版を拝見した時もゲーテの『ファウスト』をどこまで下敷きにしているか考察してみたのですが、今回の演出によって新たな発見も多かったので、個人的に少し整理してみようと思います。 なお、あくまで個人的な考察ですので、軽くお読みいただ

    • 事件事件!『ジキル&ハイド』で描かれるヴィクトリア朝のロンドンとは

      はじめに  ミュージカル『ジキル&ハイド』の開幕おめでとうございます。  ミュージカルファンからはミュージカル『ジャック・ザ・リッパ―』の事もありロンドンの治安が悪い…と噂になっておりますが、確かに『ジキル&ハイド』の設定で事件が起こったのは1888年となっており、これは『ジャック・ザ・リッパ―』と同時期の設定となっています。なお原作では『ジキル博士とハイド氏』が出版されたのは1886年であり、作中では「18××年」といったように年代がぼかされています。  イギリス文学がお

      • 「契約法の勉強に役立つね!」~スリル・ミーの『契約』に対する考察~

        はじめに 2021年にスリル・ミーを初めて観た時「そういえば英米法って日本の契約法とかなり違うのでは?」と思ったのがきっかけで、色々と個人的に調べてぷらいべったーに格納していたのですが、今回の記事はその加筆修正版となります。法学部卒とはいえ専門的な知識はさほどないミュージカルオタクが調べたもののため、だいたいそんなものなのかとゆるく思っていただければ幸いです。 なお、参考とした資料は『アメリカ法入門・総論(木下毅著)』『ニューヨーク州弁護士が教える英文契約書の基礎(松崎謙著

        • CROSS ROAD〜悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ〜における「悪魔」について(考察)

          はじめに ツイッターでも色々と書いていたのですが『CROSS ROAD〜悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ〜』というミュージカルがあまりにも民俗学好き兼オカルト好きの心をくすぐるような絶妙な悪魔の設定を世に出してきたので、思わず考察好きの血が騒いでしまい、せっかくなのでまとめてみようと思い立ったのがこの記事です。 さて、一般的に「悪魔」と聞くと様々なイメージが出てくると思いますが、藤沢先生が博識かつ語学に堪能で、さらに海外生活が長いからか、アムちゃんのキャラクター造形は日本

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