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イサム・ノグチの空間芸術を読んで③

これで、イサム・ノグチ最後の記事です。

①や②をご覧になっていない方は読んでいただけると幸い。読んでいただかなくても、この記事単品でこの記事は簡潔しますので、問題はありません👍
どうぞよろしくお願いいたします。

さて、早速ですが①でこの本を読んで個人的に
心引かれた部分をピックアップしました。
ピックアップ数は本当は沢山ありますが、その中でも二つだけ。
その内の二つ目を本日は書いて行きたく思います。

2つ目は「数値を探していくという過程」です。
これは、イサム・ノグチが手掛けたデザインはフリーハンドによることがきっかけに出た言葉です。

フリーハンドで描かれたものを、実際に作る上で寸法を算出し厳密化しなければなりません。
その為、当時のアシスタントが思考と努力を費やし、フリーハンドで書いてあるものを模型化し、そこから数値を探していくという過程を組んでいました。

施工管理泣かせのデザイナーズ設計士さんは沢山いますが、設計といってもあくまで建物。基準となる線があり、追い出し用は沢山あります。
しかし、このアート業界。現在はもちろん知りません。きっと現代のコンピューター技術で特に難しいことはないかもしれないですが、当時はそれがありません。
フリーハンドで書かれた図面をみて、これを現実世界に落とし込むために厳密化する。
号泣ものです。

先程も書きましたが、当時のアシスタントはこれを模型に起こして見てから各寸法を拾い出す方法をとりました。
この地道な作業。
でも、成果物はとても豊かなもの。
何かを成し遂げるのにこのような作業は大切なのではと感じました。地道に寸法を拾う様は絡まった糸を一本一本ほどいていくように。
ことわざでいう塵も積もれば山となるといった、日々の細かい努力。
大きな一歩に憧れますが、確実な一歩も立派な一歩ではないでしょうか。

未来に希望が持てた、そんな瞬間をこの本には幾度か感じました。 
一人の人間の苦労や苦悩。そして、後の功績と。
とても簡潔に。時代背景とともに。

是非、興味がある方は読んで見てください。

面のゆりかご

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