私が仕事を辞める理由

新卒から5年ほど続けてきた仕事を辞めることにした。
いまの時代、転職なんて珍しいことではないけれど、個人的には結構思い切った決断だから、後で振り返れるように理由を残しておこうと思う。
できたら「選んだ道でいいんだよ」と、未来の自分に前を向いてもらえるような記録になったらな、と思う。

思い返せば、2年ほど前から仕事を辞めるという選択肢が頭に浮かぶようになった。
「辞めようかな」「辞めるのもひとつだな」「辞めたい」「辞めた方がいいかな」
そんな風に思う瞬間を何度も重ねて、結局辞めることにした。

実は、noteにも仕事を辞めようと思った瞬間の記事を書いたことがある。
当時はあまりはっきりしたことを書きたくなくて、ぼんやりした表現になっていたけれど。

次の夏は、もっと気持ちよく楽しめるといいな。

改めて、私が仕事を辞める理由。

その1  この数年間で何が身についたのかわからなかった。
前提として、そのときどきで一生懸命に仕事に取り組んできたとは思う。
自分で言うのもなんだけど、相応の成果をあげて、相応の評価を受けてきた。
そうやってこの数年間いちばん時間をかけて取り組んできたのが仕事なのに、恐ろしいことに、仕事を通じて身につけたものや成長した部分というのがわからない。
業務単位でできるようになったことというのはある。
でも、異動が多いこともあってか、経験が積み重なっていくとか専門性が磨かれていくという感覚が得られないまま、ただ所属する組織で重宝される人間としてカスタマイズされていっている気がして、ぞっとしてしまった。

その2   「やるべき」に追われているうちに「やりたい」がわからなくなっていることに気づいた。
仕事を辞めることについて考え始めてから「じゃぁ他に何がやりたいんだろう」と考えようとしても、正直なかなか浮かんでこなかった。
「やりたいことが他にないなら、別にいまの仕事を続けてもいいか」と思ってひとまず仕事を続けて、という感じだったのだけど、あるとき「いまの仕事をしてるから、やりたいことが浮かんでこないのでは?」と思い、これはまずいぞと焦った。
他の仕事のことはわからないけれど、私の仕事はそのポストに与えられた「やるべき仕事」をこなすというのがベースで、自分の「やりたい」を挟む余地はあまりない。
自分に与えられた「やるべき」を把握して実行するのは比較的得意で、求められている役割に沿って動いたり発言したりするのは、そんなに難しくなかった。
でも、あるとき会議で、自分が本当は全く思っていない「言うべきこと」を発言しながら、それを難なくこなしている自分っておかしいよな、これを繰り返してるうちに自分が本当はどう思ってるのかわからなくなりそうだな、と思って、怖くなった。
「やるべき」をこなすのが得意だからこそ、「やるべき」で固められている仕事だと、どんどん自分の頭で考えられない人間になっていきそうで、そうなりたくないならこの仕事を離れた方がいいな、と思った。

愚痴にしかならない要素は省くと、本質的なところってこのくらい。
その1とその2も結局はつながってるような気もする。
もし組織で重宝される人間が自分の目指すところだったら、もし「やるべき」に「やりたい」を織り交ぜていけるような柔軟性と芯の強さがあったら、続けても良かったのかもしれない。
でも、私は違った。

改めて書いてみるとやっぱりこの選択でいいんだな、と思う。
これからどうなるのか、やってみないとわからないし、不安がない訳ではない。
でも、辞めないという選択をしてたら、どんどん自分を見失って誰の人生だかわからなくなってただろうから、それだけでも辞める選択をできて良かったと思っている。
選んだ道が、より良い人生につながりますように。

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