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清元 文売り

文売り…?なんだか現代では聞き慣れない言葉ですよね。いったいどんなお話なのでしょうか✉️まとめてみました。


あらすじ

「文売り」とは、正月の季節に代書や懸想文(恋慕を綴った文)を男女に売って良縁を作る商いの女性です。小田巻という傾城とほかの傾城が一人の男性をめぐって大喧嘩を繰り広げ、それを聞きつけた遣り手や座頭等、遊郭中の見物人が大乱闘となって大騒ぎになってしまったという内容を語るという趣向です。



文売りとは


文売りとは懸想文売りのことで、想いをかける文、すなわちラブレターを売る人のこと。
そんなの商売になるの??と現代では疑問に思えますが、昔は字が書けない人が多かったので代わりに恋文を書いてくれる存在が貴重だったんですね✉️

それにしても、ラブレターをスラスラ書けるなんて凄くないですか🤔文字が書けることと、ある種の教養がなければ素敵な恋文にならないので、どんな人が書いていたのか気になります。
そして梅の枝に結んだ懸想文を売り歩く姿を想像すると、なんとも風情がありますね。



もうちょっと詳しく


本名題は「花紅葉士農工商」(はなもみじしのうこうしょう)と言い、本来「士」「農」「工」「商」にそれぞれ見立てた四変化の舞踊で、逢阪山の関所を通る際に各人物が物語を語っていくという内容です。
そのうちの「商」がこの【文売り】というわけです。

この文売り、実は傾城の大淀という太夫で「山姥(金太郎の母)」八重桐という人物であるという設定なのですが、物語内では明確になっていません🤫

そんな八重桐が懸想文を結んだ梅の枝を持って登場するところから始まります👏



シャベリ


冒頭のあらすじにもある通り、
遊郭で「小田巻」という傾城(おいらん)勝美という花魁の二人が、一人の男性を巡って突き飛ばしたり🗯️殴り合った🤜りの大ゲンカを繰り広げ、ついには一人が縁から落ちて怪我をする騒ぎがあり、それを聞きつけた遣り手や中居、店に出入りのある座頭、按摩、外を歩く巫女や山伏、遊郭中の見物人なども絡んで大乱闘となり大騒ぎになってしまったという内容を

八重桐の【シャベリ】と清元とのセリフでたたみ込みながら振りを見せるところが、この演目の独特の趣向であり作品の面白さです😄

他とはちょっと違った舞踊です!



立方(たちかた)

若柳桃保(わかやぎ ももほ)

若柳里次朗師に師事。
「文売り」とは、正月の季節に代書や懸想踏文(恋慕を綴った文)を男女に売って良縁を作る商の女性です。世話物の役柄の雰囲気を少しでも出せる様に努めたいです。

若柳桃保