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清元 傀儡師

傀儡師はくぐつと書いて「かいらいし」と読みます✨いったいどんなお話なのでしょうか!


あらすじ


日本舞踊の中でも人気のあるこの「傀儡師」。
傀儡師とは首に吊るした箱の上で人形を廻して見せる町芸人のことです。三人子宝・お七吉三の色模様・弁長のチョボクレ・義経の恋物語など様々な人物を表現した清元独特の楽しい曲です。



傀儡師の歴史


あらすじにもあるように傀儡師(かいらいし)は町芸人の人形まわしの事です。元々はジプシーのような放浪者だった者たちが、今でいうところの大道芸のような事をして日銭を稼いでいたそうで、室町期から江戸時代初期にかけて「傀儡師」と称したのがはじまりなんだそうです🎭
そして人形浄瑠璃のルーツになったのだとか!

巡り巡って日本舞踊に影響を与えた傀儡師…🤔
芸を極めるって、すごいですよね。

本曲はそんな傀儡師の姿を舞踊化したものです✨



みどころ


首に箱を掛け、その箱の中から小さな人形を出して舞わせるのが「傀儡師(かいらいし)」。

人形を廻しながら、市中の人々が喜ぶ話をしていたんでしょうね😄
はじめこそ人形廻しの振りがありますが、次第に傀儡師が人形になって踊るという擬人化の手法で展開されていきます。

三人子宝では、三人の息子の性格をそれぞれ表す踊りで、長男は"親に似て女と名がつけば、夜鷹(よたか)でも瞽女(ごぜ)でも巫女でも市子でも…(女性好きのようですね😅)特徴のある振りがついています。次男はキツそうな性格を、そして三男は二枚目でこれが吉三(きちざ)なのでお七が登場し、二人の色模様のクドキという具合に話が展開していきます📚

次に弁長(還俗坊主)のチョボクレですが、ここのテンポの早さはとても面白いところ!
〽︎やれやれやれやれ おぼくれ ちょんがれ
ちよつと 其処らでちよつくらちよつと 聞いてもくんねえ
歌詞だけ見ても楽しいですよね🤣ユーモラスな振りをご覧ください!

まだまだ続くよ!
つづいては気持ちを変えて義経(牛若丸)の恋物語、そして合戦の場目に変わり平知盛(たいらのとももり)の亡霊が登場します。

何人踊り分けるのか!!舞踊家冥利に尽きる作品です🥹✨



立方(たちかた)


藤間晴芙紗(ふじま はるふさ)

私にとって「傀儡師」はとてつもなく困難な演目です。登場人物が多く、それぞれの表現が難しく、一ヶ所でも心に残していただける部分があれば幸いです。

藤間晴芙紗