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清元 扇獅子

扇獅子「おうぎじし」と読みます🪭
どんな演目でしょうか😆


あらすじ


新年を迎えた江戸の町から見た美しい風景、庭木の梅が咲き鶯の可愛い鳴き声がする新緑の頃、花も若葉となり魚屋の売り声が聞こえる初夏、秋風が吹く季節になっても賑やかな日本橋の様子、そして真っ白な雪景色の冬を迎えます。

四季折々の風情を巧みに描いた舞踊を清元にのせて、江戸の芸者らしい粋な雰囲気で艶やかに踊ります。



曲の成り立ち


明治三十年頃、東京は日本橋の芸者の会のために作られた曲で、日本橋の風景と風物を四季に織り込んで描いた華やかな曲です🗼

舞踊会ではあまり見かけない演目ですが、江戸前の芸者の粋な風情がぐっとくる作品です。
一度聴いたらクセになりそうな曲調もいいんですよね☺️(筆者の感想です)



〽︎日の影の富士にうつろう風景は よその国にはあらがねの 土一升の日本橋
昔をしのぶ紫(江戸紫)の 今朝は三筋の初がすみ
其の弾き初めにさきがけを 競う庭木の梅咲きて
夜飼に馴れし鶯の 初音床しき匂い鳥
岸の柳も未だ春の 若き容(すがた)の浅みどり

ここは言わずもがな、初春の気分を出した部分です☘️


〽︎遠く望めば青々と 忍ヶ丘(今の鶯谷・上野)も夏の来て 花も若葉と衣がへ 卯の花雨にしめやかな
軒の玉水手枕の 耳に嬉しきひと声を
雲井に残すほととぎす

抒情的な旋律が聴かせ所で、クドキになります☺️



〽︎昨日の雨も秋風に 晴れて隈亡き月影を
浪に乗せ来る海原を 越えて幾艘魚河岸へ
船の櫓拍手勇ましく 天飛ぶ雁の後や先

この部分は二上がりに調子が変わり、秋の部分ですが沈んだ寂しい秋の気分ではなくリズミカルで派手な構成になっています❣️



時雨も雪に降りかわり 隅田はさこそと盃を
開くや花の冬牡丹

先程の華やかさからぐっと変わってしっとりとした雰囲気に❄︎

最後は
〽︎時に扇の獅子の曲 差す手引く手も打ち連れて
賑わう家こそめでたけれ

壮重な曲調となり、品よく舞納めます🪭



立方(たちかた)

藤間市幾(ふじま いちき)


藤間市幾