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「形見分け」で「1万円」を貰った話

ちわ。クラン辺利田です。

少し前に、まぁ、いわゆる大切な人との別れというものを経験いたしました。そこでな、アテクシは泣きながら貰ったものがあるんだ。でもこれ、はたから見たらなんでもないものなんだ。そんでも、アテクシこれを見る度にまだ泣くんだ。気持ちの整理って訳よ。

今回は「形見分け」として貰った「1万円」の話をしたいと思います。

ハァ?って思った人もいることでしょう。遺産相続で自分にまで一応回ってきた、と言えどしょっぼい金額で受け取りに行く方がめんどくさくなる気もする金額です。

でもこの1万円は、なんでもないから、大切な1万円なのです。

アテクシの大切な人は、ガンになりました。もともと、足が悪くて押し車を押している姿しか見たことがなかった人だけど、アテクシの知ってるなかでは誰よりも頭のいい人で怒るということをしない人でした。
なんでも挑戦してみる人でした。ガンになって、さらに歩けなくなってきた時、電動車椅子に乗って、アテクシが散歩に行くよりももっと遠くへ行って帰ってきました。休日は引きこもりがちなアテクシより、行動範囲が広いくらいでした。

ベットで寝る時間が多くなっても、アテクシの大切な人はまた絶対にコンビニに行って、アイスでも買ってやるんだと言って、あんまり使ってないからピカピカな手帳型のスマホケースの中に「1万円」を入れていました。最後まで、元気になってやるんだと言っていました。


その1万円は使われることは無かったけど、大切な人が最後まで生きようとしていた事の証明なのです。大切な人が、最後まで使うことの出来なかった1万円なのです。

なんでもない1万円のはずでした。だってごく普通に流通しできたであろう日本国の紙幣でしかありません。なんならばっちいのかも知れません。でも、何故かアテクシにはこの1万円を使う気が起きません。私もまた、この1万円をこっそりスマホケースの中にしまっています。こんなことを言うと怒られてしまうと思うのですが、そこら辺のお守りよりなんかいいことある気がします。

ジィちゃん。ジィちゃんを1度でいいからアテクシの住む部屋に招きたかった。ジィちゃんの好きな物を沢山用意してアテクシの成長を感じて欲しかった。アテクシ、故郷を少し離れてしまっていたから、ここ2年くらいあんまり会いに行けなくてごめん。ジィちゃんと麻雀がしたかった。新しく学び始めたって言うから、アテクシもやりたくて勉強してたんだよ。いつか、アテクシが立派に働き始めたら、家族みんなでまた旅行に行くのが夢だったんだ。アテクシ、やりたいことも趣味も将来の夢も何にもない中途半端な人間だったけど、家族だけは幸せにしたくて金払いがいいであろう職に就くために勉強したんだよ。してるんだよ。


家族で旅行に行く時、ジィちゃんの分のチケット買えちゃうくらいに働いてやるんだから。ご飯はもう食べられないからつけないけど、部屋とか、1人分空けてやるんだから。


がんばらなくちゃなあ。弱音ばっかり履いてられないね。きっといつかのあなたに胸を張れる人間でいることが出来るようにこれからを踏みしめていこうと思います。


脳みその整理って大事だねぇ、という記事でした(違う)




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