アジアの怪談 その1

香港に住んでおります。

その他、自己紹介や内容のソースは特に面白くも無いので、機会が有れば次のメールで書きます。


1.鬼仔 (中国語で鬼は日本で言う幽霊やお化けです。仔は子供や赤子の意味です)(ググれば画像出て来ます。)


養鬼仔、簡単に言えば霊界の子供を養う。(日本語での読み方は任せる!)

香港、マレーシア、シンガポールにもありますが、一番多いソースはタイだと思います。 タイでは、善意で亡くなった赤児を供養し早く行くべきところへ行き、

輪廻する様一般家庭でも 養鬼仔 が行われてると聞きます。タイのレストランなどで一人なのに席を二人分使ってたり、そこにお人形がおいてあったり、お店で

仏像の様な物の周りにヤクルトやジュースが供えられてるのは間違いなくそれです。

善意で養鬼仔してる人もいれば、金運や仕事運の為にする人もいます。聞いたりする話は圧倒的にそっちが多い。 タイで招いた鬼仔に毎日、食事やお菓子を与え

る見返りに運や金銭を得ると言う事です。鬼仔はこの世に生まれて来れなかったと言う怨念が強かったり、自分の血を与えたりすると更に効果が高まると言われてます。

鬼仔を作る為タイのお寺で赤子の死骸が大量に見つかり摘発されたニュースもありました。

ケース


香港で競馬などの賭博を個人で受ける外注(もちろん違法で黒社会の収入源)で下っ端だった人が、タイで鬼仔を招くと運気が上がり大儲けできると聞いて鬼仔を

招く為タイに出かけるが、数人の術士に会うも鬼仔を招く事が出来ない。理由は彼の命が養鬼仔と言う行為に合わないと言う。誰もが招ける物でも無いらしい。

不服に思った彼は、別の友人の話で中国の雲南省で有名な術士がいるからそこで試してみればいいと、雲南省へ向かう。雲南省の少数民族にその術師がいて、最初は

タイと同じ理由で断られるが、一個だけ強烈な鬼仔がいる、この鬼仔なら憑くかもしれないが、よく考えてから判断してくれと念をおされる。この鬼仔は妊娠6ヶ月で母親

と事故で亡くなった赤子の鬼仔だから怨念が強い上食事(供養)に自分の血を与えなければいけない。タイでも断わられ意地になった彼はすぐにその鬼仔を引き取った。

鬼仔の形状は赤子の人形が透明のケースに入ってる。引き取った初めの2ヶ月くらいは特に存在を感じる事も無いが、言いつけ通り何をするにも二人分用意した。

2ヶ月後から、賭博の受注する度に受けていいのか、受けない方がいいのか感じる様になり大儲けする6ヶ月で黒社会の中で出世して組織の賭博に関する事業を

任せられる。組織で偉くなり裕福になると同時に忙しくなり鬼仔を疎かにする。


疎かにされた鬼仔は彼の家族(奥さんと子供)にちょっかいを出す。ある日家に帰ると壁が血だらけになっていて奥さんが狂った様に ”私が血を与えないとダメなの!”と叫んでいたり冷静になるとその時の記憶が無い、子供は病気がちになり医者に診てもらっても原因が不明で、寝てる時にベッドから浮き上がり叩き落とされたりと散々な目に会う。 色んな宗教の師父(マスター、先生)に駆除の依頼をするが、最初は皆軽く受けるが、結局解決できず、態度の悪い(こんなの簡単だよとか大口叩く)師父の時は

ボルターガイスト並みに椅子や家具が飛んでくる。鬼仔は姿を現すでもなく、脳波と言うか言いたい事は頭の中で伝わる。”どの神に頼んでも無駄だよ、僕は君が自分で招いたのだから、誰も手出しはできないんだよ”と自業自得だと言われる。もうその時点では思考が鬼仔とリンクされていて本人の考えてる事は筒抜けだ。


なにはともあれ、家族を守ることが最優先。その時点で、子供は親戚に預けていたが、奥さんは精神に異常を来たし話しかけても無反応状態だったので香港に近い中国の

療養院へ送る。それでも鬼仔は解決しなければならない。そんなヤツおるぅ〜ってツッコミたくなるが、最後に頼んだ師父はどの宗教にも属さなく、何か儀式をする

でもなく言われた事が、鬼仔と同化してるからあなたが変わらなければ助からないと告げられる。彼は黒社会から足を洗い、まるでその時とは別人の様にチャリティー活動

やボランティア活動をし三年かけて鬼仔と自分を善に向けた。ただ残念なのは完全に鬼仔を断ち切る事はできず、夢に現れた妻に”私はもう治らないの、諦めて、肉体は

残ってるけどそこに魂はいない”と告げられた。


ちゃんちゃん


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