忘れられなくて

いとしい鼓動を
夜更けに確かめた
あの日のぬくもりを
忘れられなくて

もう動くことのない
時計みたいな今
戻れなくなった日に
言い訳するばかり

初めては永久に
変わり得ないから
上書きできないまま
今も胸に残る

かすかな鼓動を
確かめるようにする
いつかのぬくもりを
忘れようとして

静かな部屋の中
吐息だけ響いた
忘れることなんてもう
できるわけもなく

変えられぬ過去の上
立ち尽くすから
どこにもいけないまま
今も胸をえぐる

今も胸を焦がす

(2024.2.15.9:58)