授業の休み時間。VPNにつないでLINE、Instargram、Twitterを一周する。
インスタを見てからTwitterに移る。たまに検索でB氏のアカウントを探し出して、ツイートやいいねが更新されていないかチェックする。私は彼氏にもこれやります、秘密で、毎日。

B氏はインスタよりもTwitter派らしく、更新頻度は高い。高いって言ってもそんなに頑張っている感じはない。先輩ホストのリツイートが多い。

○○○○○○ホスト

さっそくB氏のアカウントを見つけてタップした。開いて、時が止まる。
彼のプロフィール欄にはこんな言葉が書かれていた。

「おっぱっぴーホスト」

？？？？？？？('ω')？？？？？？？？

わからない、わからない。彼の路線がわからない。
確かに小島よしおはおもしろい、この前やってた人形のネタはおもしろくて笑った。彼のシュっとした身体は適度に鍛えられていて良いと思う。

だからって……、そんな……。
おっぱっぴーって書く必要あるかね？？？？

ないないない、NONONONO、不不不不不！！！

小学生の頃に感じた同級生の男子のツボの浅さと、私が混じることのできない男性特有のノリ、その鱗片を私は見た。

彼は学生＆ちょっと韓国っぽい、という路線で行くと思っていた。
あの夜、彼が「俺、韓国っぽいのに憧れているんだよね」と言ったのを私は鮮明に覚えている。同じ時期に入った仲間に韓国系のファッションを教えてもらっているとも話していた。

なのに、おっぱっぴー。

韓国の「か」の字もないし、文字に書き起こすと途端にだめになる。

あれは小島よしおが小島よしおの格好で、両手を開き、片足を上げて言うからおもしろいのだ。B氏のTwitterのプロフィール欄に文字として現れると本来持っているはずのおもしろさは途端に消え失せる。

lineでツッコミ入れたほうが良いのかな。
そう考えたけれど勇気が出なくて、次の授業の教科書も読んでおきたかったから私は携帯の電源を落とした。

私とB氏の隙間は小島よしお一人分

それから数日後、もう一度B氏のTwitterを開くとあの言葉は消えていて、ちょっとギザなセリフになっていた。

それでも、私は見たのだ。
あの言葉が彼のTwitterに刻まれた瞬間を。
そのときの心境は忘れられない。冷静で、複雑で、彼の指がこれを打ったのかと思うと悲しかった。

ホストにはまりかけ女子大生と、B氏の間に小島よしお一人分の隙間ができた。

♰よくわかる理来ちゃんとB氏の出会い♰

♰つづき♰