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銭湯に行く話

私の寮は湯舟がない。共用のシャワールームしかない。
夏は良いけど、冬は本当に寒い。シャワールームに暖房なんてなくて毎日凍えるし、お風呂上りなのにくしゃみが止まらない。

彼氏の家はユニットバスで、お湯をためようと提案しても本人が頑なに湯舟に拒否する。なぜ。

でも歩いて5分くらいのところに銭湯があるのでたまに行く。
いつも夜に行くから看板が暗くて見えなくて名前がわからない。

入口、下駄箱、フロントがあって、その横にコーヒー牛乳とかが売ってる。
脱衣所があって、湯舟は一種類しかなくて、後ろに富士山の絵が描いてある。シャワーの水圧がやや弱め。

これを「エモ」と人は呼ぶんですね……。

たまにお湯が異常に熱いときがある。遅めの時間に行くとちょうど良い温度になってるときもある。

ときどき一緒になったおばさんが話しかけてくれたりする。

5年くらいシャワーだけの生活だけど、たまにお湯に肩までつかりたくなる。よし!と決めて肩まで思い切りつかって、1分数えるとじわじわ体が温まっていく。顔も足も真っ赤になって、ふえ~~~ってなってお風呂から上がるのがすごく気持ち良い。

体を拭いて、髪の毛を乾かして、着替えて、急いで外に出ると彼氏が待っている。たまに同時に出てくると、「お~」となる。

帰りに夜ご飯やアイスを買って帰って、今日の湯加減について話しながら帰る。




ちょろい女子大生の川添理来です。