バレンタイン

蹴りたい背中があった。

こっち向けって。

私を見てって。

そう言うと絶対「見てるじゃん」って言うと思う。

そうじゃないって。

そういう見るではないでしょ。

仲良いとは違うベクトルを理解しろよ。



まぁ無理か…

ならば仕方ない

やってやる

今日でなくては出来ないこと

笑われてもいい、伝説になってやる!

隣のクラスに入る

見つけた

無防備な背中

余裕だ

一気に走る

踏み切る

私の足があいつの背中に………

倒れて、振り向く。

驚いた顔。

私は手を開いた。

箱があいつの胸に落ちた。

#ハピバレ2015 #短編小説 #ショートショート

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