多くの人がタイトルに惹かれて読み始め、そして裏切られるでしょう。裏表紙の内容紹介にもある通り、幸せ話の短編集ではありません！でも、完読後じっくり考えると「幸福とは何か？」について読者それぞれの答えを見いだせると思います。
100万部超えの本作品。ボリュームたっぷりの短編集（19作品）。オススメです。
※百田先生のことについて書いてあるこちらも参照ください。

こんな人にマッチするかも

・短編集を読みたい人
・百田尚樹小説に少し触れたい人
・一風変わった小説を読みたい人
・ゾッとしたい人

ストーリー、構成、読みどころ

[文庫本裏表紙の内容紹介]
「ご主人の欠点は浮気性」帰宅すると不倫相手が妻と談笑していた。こんな夜遅くに、なぜ彼女が俺の家に？二人の関係はバレたのか？動揺する俺に彼女の行動はエスカレートする。妻の目を盗みキスを迫る。そしてボディタッチ。彼女の目的は何か？平穏な結婚生活を脅かす危機。俺は切り抜ける手だてを必死に考えるが・・・。（「夜の訪問者」より）
愛する人の”秘密”を描く傑作集！

[帯紹介]
全国の読者が『ハマった』衝撃のラスト1行。
稀代のストーリー・テラーだからこそ可能な超絶技巧。百田尚樹は短編も凄い！
凄絶なエンターテインメント、世紀の怪作、前代未聞の傑作！
愛する人の”秘密”を覘く恐怖、あなたも体験してみてください。

作品を総じていうと、色々なタイプの人間模様が描かれています。普通のタイプではなく、アブノーマルな内容（配偶者や親の秘密、不倫、事故、不幸な話など）です。伏せておきたい事実が表にでてくる瞬間は、スリルを味わえますし、興味深く読み進められます。人間の陰の部分に人は釘付けになるからでしょう。

その他、一風変わった構成にも注目です。全編、最後の一言が肝になりますが、それを予想しながら答え合わせをするかのようにページの進みが早くなります。最後に度肝を抜かされるか、予想通りだけど強烈な一言で驚かされるか。また読み返したくなる作品もあるはずです。

※百田先生の作品を色々と読まれている方には、幾許か唸る作品があるでしょう。そういう楽しみ方もあります。

毎回私が尊敬することは、百田先生の女性心理の描き方です。この作品でも色々と複雑で特殊な状況下の女性心理を見事に描かれています。

最後に、
幸福な生活、という本のタイトルと同じ短編作品が最後となっていますが、それとは別に「幸福な生活」という文言は全作品中に2度出てきますのでそれを探すのも一興です。

648円＋税
祥伝社文庫
2013/12/20（2011/6刊行）

※他の百田さん作品集、マガジンにしています。

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最後までお読みいただきありがとうございました。
「完読後もまたこちらに訪れてもらえると嬉しいです。」
「友達に家族に勧める際に、今回の紹介が参考になると嬉しいです。」
Best of luck