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授業報告「銀色の裏地」(小5)他

雲の裏側のことを想像したことがあるだろうか。
確かにフライトなどで、雲の上を飛んでいるときに、ああ、この下は曇りなんだなと思ったことはあったけど、下から見上げて、ああ、この上は晴れているんだという逆の発想をしたことがなかった。

なんと英語では、その状態がことわざになっているという。

Every cloud has a silver lining.

liningは線とかのlineの現在分詞系。
動詞では、線を引くの他、裏打ちする、満たす、肥やすという意味があるそう。
ここでは線の方ではなく、裏打ち、裏付け、裏張りの意味の方。
つまり、「全ての雲は銀の裏地を持つ」というのが直訳。

下界の私たちから曇っているように見えても、その裏側は太陽に照らされて輝き、銀色の裏地のようになっている。
全てのものは表裏一体。
だから、「どんな絶望の中にも必ず希望はある」という意味だそうだ。

このことわざは、今年大幅改訂になった小学校5年生の教科書のしょっぱなのお話「銀色の裏地」に出てくる。
先週から二週に分けて授業をしていたんだけど、インターナショナルスクールに通う生徒さんに、「このことわざは英語みたいなんだけど、聞いたことはありますか?」と聞くと、「ああああ!!!! そういえば昨日読んだウォンカの本に出てきました」と。
そのときは意味を大して考えずに、読み進めたけど、そういう意味だったのかと納得していました。

日本で学習している子どもたちには、そこまでの「ああ!」はないかもしれない。
悪い話じゃないけど、昨年までの「なまえつけてよ」の方が好きかなあ。

その前は何だったっけと調べていたら、光村図書のサイトで、面白いものを見つけました!
自分の小学校、中学校時代の教科書が検索できるというのもの!
私も光村だったので、懐かしかったです。


春休み以降、授業記録を全然つけていなかったけど、しいて残すなら継承語高校生クラスでしょうか。
初回はブルームの教育分類学から動詞を拾って、自分が得意なこと、不得手なことを分類してもらい、今年度の目標を立ててもらいました。
(動詞はたくさんあるので、語彙増強になったかな)

その次の週は教科書の「自由を論じる」の読解(語彙)、要約の上、自由とは何かの定義づけ。
その上で、先週末の「自律的学習」では何をすべきかにつなげました。
野中の一軒家に一人で住むなら別ですが、私たちは社会で共同生活を営んでいます。
なので、本当に何1つ枷のない自由などありません。
そこには常にルールと責任があります。
自律のない自由はない。

高校生クラスは義務教育であった中学校までと違い、自分の意志で学習を継続しています。
(まあ、外国にいるので日本語による中学校も義務ではないですけどね)
さらに宿題やテストもないので、さぼろうと思えば、いつまでもどこまでもさぼり、3年を無駄に過ごすこともできます。

一方で目標を持ち、自分で邁進していけば、必ず大きな成果を得られることでしょう。
そのための意識改革と、じゃあ具体的に何をしたらいいのか、というのを意見交換してもらいました。

四技能を中心に話しましたが、たいていのことは、多くインプットして、たくさんアウトプット(練習)の機会を持つこと、に集約されました。
特に表現力、語彙力を高めたい、話す活動をしたいという声が多かったので、そういう組み立てで行くつもりですが、漢字をやりたいという希望もありました。

小1じゃあるまいし、みんなで漢字をやるって・・・?
部首ごとにイメージを強化しておくとか、四字熟語、同訓、同音異議語などはまあ多少授業できるけど、毎週何文字とか新しい漢字をやるつもりはありません。
自分でできることは自分でやりましょう!
せっかくなので、みんなでできることをクラスで優先したいと思います。

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