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みんなの日本語第21課・文型分析まとめ(パワポ画面PDF付)

こんにちは【日本語教師になる】ももこです。
この動画は、日本語を教える人のための動画です。この動画では、日本語の教科書「みんなの日本語」の教材分析をします。文型を分析し文型に関する知識、注意すべき点などをまとめ、動画視聴後、適切な教案・教材が作れる知識を得ている状態を目指します。

今回は、「みんなの日本語第21課」をまとめます。

今回の動画は
● 第21課の概要と学習目標
● 文型
 ① ターゲットの文型を確認する。
 ② 引用節について
 ③ 各文型の解説
● この課でできる活動例
● 教師が知っておくべきこと
という内容でまとめていきます。

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⚫︎みんなの日本語 第21課 概要と学習目標

第21課の概要

・この第21課では、「〜と思います。」「〜と言いました。」引用節を伴う複文を勉強します。
・引用とは、人の言ったこと、思ったことなどを取り込む文のことです。
・間接引用の場合、複文の従属節にあたる引用節には普通形を使用するため、第20課で学習した普通形が大活躍します。学習者が普通形を作れるかどうかを確認しながら授業を進めましょう。
・普通形にしなければならない述語がどれかわかるよう、どこが従属節(=引用節=引用されている部分)かわかるよう説明しなければなりません。

後ほど複文、従属節、引用節について解説します。

・推量、意見を述べる「〜と思います。」
・引用した内容を述べる「〜と言います。」
・確認や同意を求める表現「〜でしょう?」を学習します。 

これらを踏まえ、

第21課の学習目標

・簡単な意見や感想、予想を言える。
・自分や他人の意見を、別の他人に伝えられる。
・相手に確認したり、同意を求めたりすることができる。
などがよいと思います。

自分の考えや思っていることを相手に伝え、相手の意見を聞くことができると、一段と人間関係が深まるものです。第21課で学習する文型は、友達を作り、日本で楽しく暮らしていくために非常に重要な表現です。学習者の明るい日本生活のためにも、きちんと使い方がわかるように教えなければなりません。
       

● 文型


① ターゲットの文型を確認する。

この課で教える文型を確認します。
学習項目一覧でまとめられている文は、

⒈ わたしは あした あめが ふると おもいます。
⒉ わたしは うまは やくに たつと おもいます。        
⒊ わたしは かちょうに かいしゃを やめると いいました。
⒋ あした パーティーに くるでしょう?

このターゲットの文型を文法説明風に書くとこうなります。

⒈ <普通形>と思います。(推量)
⒉ <普通形>と思います。(意見)
⒊ 「文」/<普通形>と言います。
⒋ <普通形>でしょう?

第20課で学習した普通形を使った文型です。普通形に変換するのに時間がかかることが予想されます。教師は忍耐が必要です。頭の中の言葉を口から出すのにどれほど大変な思いをしているか、外国語を勉強したことのある方ならお分かりでしょう。最初は時間がかかるかもしれませんが、自力で口に出す(アウトプットする)というプロセスは、外国語学習において非常に大事なプロセスです。学習者が思い出し、口から言葉を出す努力している間、教師はじっと我慢して待つことが大事です。

1番の文型と2番の文型、形が同じですが、1番は推量を表す時の使い方、2番は意見を言う時の使い方です。使い方が違うので気をつけてください。

3番の文型は「〜と言いました。」という、過去の形で使うことが多いです。そのため、A-3も過去の形になっていますし、そのほかの例文、練習もほぼ過去の形「〜と言いました。」になっています。「〜と言います。」は「カギカッコ」を使って、セリフをそのまま当てはめる言い方=直接引用と、文に取り込んで言う言い方=間接引用の2つの方法があります。

4番の文型は、書いただけでは疑問文か肯定文かわかりません。文末を上昇イントネーションにして発音します。文脈によっては押し付けがましい印象になりますし、年上の人には使わないほうがいいなど、使い方としての語用の面で注意が必要です。


②引用節について


・引用節とは、複文の主節と従属節のつながり方の一種です。
・人が言ったこと、思ったことを文に取り込むことを「引用」といい、取り込まれた部分を「引用節」と言います。
・「〜と思います。」「〜と言いました。」の「〜」にあたる部分のことを引用節と言います。

日本語の文は、その構造から単文と複文に分けられます。

単文は一つの文の中に述語が一つしかないもののことです。
例えば…「あした雨が降る。」のような文です。
この文では「降る。」の部分が述語です。

複文は一つの文の中に2つ以上の述語がある文のことです。
例えば…「わたしはあした雨が降ると思います。」のような文のことです。
この文には「降る」と「思います。」という二つの述語が含まれています。

複文は、主節と従属節の文、または主節と並列節の文の2つに分けられます。

主節とは、文末の述語を中心とした節のことです。「わたしはあした雨が降ると思います。」の場合で言うと

文末の述語は「思います」で、この「思います」は元々「わたしが思います。」という文です。それが「わたし」が主題化され「わたしは」となったため、文頭に「わたしは」が置かれ、文末に述語の「思います」が置かれています。主節が2つに分かれて、間に思っている内容=従属節「あした雨が降る」が挟まっています。

従属節は主節以外の文のことです。従属節は主節のいろいろな部分に意味的に添う形で繋がっています。従属節はそのつながり方によって、名詞修飾節、補足節、副詞節、の3つに分けられます。さらに、補足節は名詞節、引用節、疑問節に分けられます。ここの分類の仕方は文法書によって書き方が様々です。とりあえず、従属節の下にいっぱいあって、ざっくり「いくつかある」ことがあれば、とりあえずOKです!

そして今回21課では、この「人が言ったこと、思ったことが従属節になっている」引用節がくっついている複文を勉強します。

・文法関連の本で「複文」について調べると「複文」の説明としては、引用節はメインじゃない感じで扱われています。しかし、実際のコミュニケーション場面での使用頻度で言うと、引用節の使用頻度は高いです!そのため「最初の複文」は引用節から教えることになっているようです。

確かに、日常生活を振り返ってみても、「〜だと思います。」と言う言い方はよく使いますよね。

どこの部分が引用節になるのかは、各文型の解説の中で説明します。


③ 各文型の解説

ここから、この課で学習する各文型について確認していきます。

⒈ <普通形>と思います。(推量)

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