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【読書】猫の診察で思いがけないすれ違いの末、みんな小刻みに震えました

この【愛のままにわがままに僕は君だけを傷つけない】みたいな長さのタイトルの本は、
やーこさんという方のエッセイだ。

やーこさんはXで見つけた、日常の何気ないできごとのエッセイを書いている方である。

Xとnoteは毎週木曜日に更新されるのだが、日常的に変質者に出会ったり、怪しいセールスにあってる人を助けたり、酔っぱらいに絡まれてる誰かを助けようとしたりしながら、本人が職質を受けることになるなど、立ち回りの不器用さと謎の奇跡による珍事を頻繁に起こしたり、遭遇したりしている様が描かれている。

再度書くが「エッセイ」である。
随筆、随想、つまるところ、経験、見聞、感想を書くものである。

変な人を観察する仕事でもしてるのかと思うほどの遭遇率であるが、恐らく同頻度で作者自身も珍奇な行動をとっていると思われる。

人生のどこを振り返っても毎週更新できるほどの珍事はそんなに頻繁に起きない。

特筆するようなことはなかったはずのできごとが逐一小さな事件のようになり、出来事を淡々と書いているだけなのだがその絶妙な言葉選びのせいで、このタイトルのように小刻みに震えながら毎週木曜日の朝を迎えている。

これを読むのは私にとっての癒しの時間なのだが、関係性が微妙な義母の前で珈琲を吹くなどしてしまい、
「あ、これはいや…その、間違ってしまいまして」など、言い訳も間違ってしまっていたり、間違って唐突に珈琲を吹くなど、こちらの立ち振舞いまで混乱してしまい大変危険である。

旅行先の札幌のカフェでもモーニングをいただきながら、やーこさんのnoteを読み、やはり熱いハーブティーを吹き出したりもした。

感想を書くリプ欄には、毎週労災おりるか悩む書き込みもあるので、ちょっとした災いなのかもしれない。

なるべく口にものを含まず、人目につかないところで読むことをおすすめしたい。

特に人生に疲れているときに読むと、もう何か色々どうでもよくなるので、そんな時に読んでみてほしい。何を悩んでたのか一瞬忘れられる。
変なグミなど食べなくても、人生を破壊しなくても、嫌なことなど忘れられるのだ。言葉の力は素晴らしい。

様々な名作(迷作)が生まれているが、やはり、タイトルのエピソードには、繰り返し読みたくなる中毒性がある。

ストップウォッチで測ってみたが、一篇1分前後で読めるので、忙しい方にもおすすめだ。

本来はあらすじなどを載せるべきところだが、1分で読める話のあらすじなんて読んでないで、四の五の言わずお読みなさいと言いたいので、リンク貼っておく。

尚、挿絵は栖周(すみあまね)さんというお坊さんが描いている。もとはファンアートなのだろうか。

やーこさんの更新を受けて、だいたいその日のうちにその珍妙な出来事を見事にイラストにしてしまっている。

私もイラスト描きの端くれではあるが、やーこさんのは絶対描けない。

寸分も違わずそのまんまの絵を描いて上げているので、いつも「天才か…」と思っている。

ここまで書物として知識など得るもののない書物も珍しいが(超絶失礼)、こんなにも笑いが得られて元気になれる本も中々ないので、是非読んでほしい。

変質者出てきがちなので小さいおともだちにお勧めする際は注意を払いたい。

この本は、私が一方的にマブダチだとおもっている、ラボラトリーハコの店長山田さんに半ば強引にオススメし、お取り寄せできそうならお願いしますとお願いして、取り寄せてもらった。

こちらのお店も、お勧めしたい。



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