執筆・推敲・改稿〜出版までの行程を見てみよう(4)

崖っぷち作家のニジマルカです。

「出版までの行程を見る」4回目です。

3回目はこちら。↓


出版までの行程おさらい

出版までの行程はこんな感じです。↓

1.アイデア出し
2.企画書づくり
3.企画会議
4.執筆
5.推敲・改稿

6.校正
7.デザイン
8.印刷
9.告知・宣伝
10.発売

今回は、4.執筆、5.推敲・改稿です。


4.執筆

企画会議に通れば、いよいよ執筆です。

書き始める前に、担当さんに詳細プロットを出すよう言われることもあります。

言われなくても、執筆用のプロットは作った方がいいでしょうね。

プロットは地図のようなものですから、プロットがないとだいたい途中で迷います。

エンタメ小説はだいたい4〜5章構成で、文庫換算で250〜300ページくらいです。

典型的に、4章構成、240ページで考えてみましょう。

1章が60ページです。

シーン数はまちまちですが、たとえば1シーン10ページ前後だとすると、章ごとに6、7シーンくらいでしょうか。

シーンごとに何が起こるか書いていけば、ある程度、詳細なプロットになるはずです。

文字数で言うと、長編は10〜13万文字くらいが目安です。

1日3000文字書くと、1ヶ月半くらいで書き終えられます。

どうせ後で加筆することになるので、初稿の文字数は少なめでもいいです。


担当さんによっては、章ごとに原稿を提出する場合もあります。

その辺りは担当さんと相談すればいいです。

初稿を書き終えたら、担当さんの判断を待ちます。

初稿の構成でOKということもあると思いますが、だいたいは改稿が必要になるでしょう。


5−1.改稿

足りないところを追加し、いらないところを削り、構成を変えて組み立て直すのが改稿です。

エンタメ小説では、よく「始まりが遅い」ことを指摘されると思います。

冒頭は、説明や設定語りを控え、できるだけ主人公が活躍するような印象的なシーンで始まった方がいいです。

とはいえ、最近では、「設定をちゃんと知って、準備をしてから楽しみたい」という読者も増えている気がします。

ですから、最初にある程度説明した方がいいのではないかとも思いますが、編集者さんはほぼ「説明からではなく、アクションから」と言うはずです。

小説指南本でもそう書かれていることが多いですが、それが正解かどうかは、ちょっとわからなくなってきた気もしますね。

さて、改稿が続くと、次第にしんどくなってきます。

特に受賞作などの最初の作品では、「本当に書き終わるんだろうか」と不安になってくるでしょう。

また、逆に「もっと直すところがある」と直し続けてしまうこともあります。

出版が迫ってくると、不安になって直してしまうのですね。

すると、どんどん原稿が分厚くなっていくのです。

不安になるのは仕方がないです。

みんなそうなるので、「自分だけじゃない」と知っておくと気が楽になると思います。

原稿の量をむやみに増やさないためには、読者を信用することも大切です。

読者は書かれていない情報まで読み取ってはくれませんが、多少表現があいまいでも、懇切丁寧に説明しなくても、けっこう分かってくれます。

読者に甘えてもいけませんが、読者の読解力を低く見積もりすぎない方がいいです。

原稿の分量は増えても大きな問題はないですが、ページ数が増えれば増えるほど、本の値段は高くなります。

また、一般的に言って、分厚い本は敬遠する人の方が多いでしょう。

ですから、可能ならそのジャンルで適正なページ数辺りにしておくのが望ましいです。

改稿作業は、なんとなくの感触では、4稿(3回改稿)くらいまでいけば終わると思います。


5−2.推敲

執筆中は、随時、推敲していきましょう。

推敲のコツは簡単です。

時間を置くことです。

それ以外に良い方法がありません。


文章レベルのことだけでなく、「あそこの構成がおかしい」とか「あのシーンの前に説明しないと伝わらない」といったことも、時間を置かないと気づけません。

ですから、執筆というのは「何もしない時間」を含めてのものだと考えた方がいいです。


その日書いた分は、少なくとも翌日以降に見直さないと、おかしいままになるので二度手間になります。

作家さんの資質や、ジャンルにもよると思いますが、じっくり書いて一発でどうにかしようと考えるより、ざっくり書いて寝かして書き直す、と考えた方が効率はいいと思います。


今回のまとめ

出版までの行程を見る4回目「執筆・推敲・改稿」でした。

1.書き始める前に詳細プロットを作った方がいい
2.初稿はどうせおかしいので改稿になる
3.改稿はみんな辛い

4.推敲するにも構成を見直すにも、
時間を置くしかない

次回は「校正」です。↓

それではまたくまー。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?