見出し画像

安倍総理が患う「潰瘍性大腸炎」がマジでつらい件(筆者体験談)

 今回はLGBTQ+から離れた話題。
 持病を原因に安倍総理が辞任することになりましたが、総理が患っている難病の「潰瘍性大腸炎」、私も罹患して7年になります。
 以前安倍さんが辞任したときは、「お腹が痛いくらいで辞めるなんて!」と憤慨していたものですが、その後実際に罹ってみて言えることは……

 この病気、マジでつれぇ!!(安倍さんごめんなさい)

 安倍政権は支持しない立場の私ですが、この難病を患う安倍総理には心から同情します。この病気を患いながら総理大臣をするなんて、本当に大変なことだと思います。

 ここから先は、自分の病気について赤裸々に語っていきます。
 汚い話や生々しい話もあるので、苦手な方は読まない方が良いと思います。自己責任でお願いします。

「潰瘍性大腸炎」と診断されるまで

 大学1年生の春休み、初めての海外留学で、2週間ほどニュージーランドに行きました。人種が入り乱れるニュージーランドで、私を受け入れてくれたホームステイ先は、中国人とインド人の夫婦。二人とも料理が大好きで、日本ではなじみのない料理を色々と用意してくれました。
 油をたくさん使う料理や、食べ慣れないスパイスが多い料理が多かったからでしょうか。渡航後1週間もすると、お腹の調子が悪くなってきます。初の海外で、病院のかかり方なんて分からないので、帰国まで我慢していました。
 帰国後、すぐに消化器内科へ。診断は、「食中毒」でした。薬を飲んだらすぐに良くなったので、食べ慣れないものを色々を食べたせいだと勝手に納得。しかし、その後も大学時代、お腹を壊す→食中毒と診断される、ということが何度か起きます。いずれも大事には至らなかったので、気に掛けていなかったのですが、今思えばそこに兆候があった気がします。

 無事に大学を卒業し、就職先の東京に引っ越した私は、そこでまた腹痛に襲われます。近所の消化器内科を受診したところ、そこでも「食中毒」との診断。直前に、卒業旅行でフランスに行っていたので、そこで食べ慣れないものを食べたせいだとまたもや自分を納得させます。やはり、薬を飲んだら良くなったので、特に気にしませんでした。
 その年の4月から、晴れて社会人になった私ですが、1ヶ月を経過した頃に、また腹痛がやってきました。このときの腹痛は、いつもと違います。いつもは下痢だけなのに、気が付けばトイレが真っ赤に。下血でした。
 驚いて病院に駆け込み、状況を話すと、そこで初めて「潰瘍性大腸炎」という病名が出てきます。すぐに大腸内視鏡検査を受けることになりました。
 ちなみにこの検査、前処理を含めてかなりつらいです。その後も1年に1度は受けているので、今でこそ慣れましたが……。これはこれで一つの記事になるようなネタなので、ここでは書かないことにします。
 検査の結果、「潰瘍性大腸炎」の活動期にあると診断されるのでした。

活動期は何もできないくらい

 「潰瘍性大腸炎」と診断された当時、症状は酷いものでした。下痢と下血が止まらないのですが、この止まらないレベルがやばい。20~30分に1回はトイレに行きたくなって、一度トイレに入ると10分は出られません。
 これが自宅にいるときならいいのですが、当時の私は研修中の新入社員。まだ有給休暇もなく、休める身分にはありません。会社側には事情を説明していたので、もしかしたら特例を認めてくれたのかも知れませんが、同期の中でも成績の良い方とは言えなかった私は、とにかく成果を出したい一心。頻繁にトイレとオフィスを往復しながらも、必死に研修を受ける毎日でした。
 こんな調子なので、通勤電車に乗ったり、ちょっと買い物に出るのも一大事。何処に行くにもトイレの場所は確認していましたし、電車は途中下車してトイレに駆け込むなんてことも。下手すると漏らすレベルです。冗談ではなく。
 幸い、薬を飲み始めたら症状は和らぎ、配属となる頃には普通の生活が送れるようになっていました。この病気は、症状が強く出る活動期と、症状が治まる寛解期を繰り返します。担当医からは、寛解期を長く保てるよう、食事やストレスに気を付けるようにとアドバイスをもらいました。ちなみに、薬は寛解期でも毎日必要です。

 地獄の再来は、それから1年半が経過した頃。職場で人員の入れ替えが相次いだりと、ストレス多めの毎日を送っていました。それが起因したのか、再び症状が悪化。それも、最初の症状よりもずっと酷く、下痢と下血が何日も続きました。もはや、下血なのか痔なのか生理なのか分からない出血が続く日々。貧血にもなりました。
 その時、初めて粉末状の栄養剤(エレンタール)を処方されます。症状が落ち着くまで、普通の食事は摂れず、栄養剤で暮らす毎日。これがまたすごいストレスなのです。
 私は経口摂取でエレンタールを使っていましたが、胃ろうや鼻からの摂取でも使われるもののようで。要は、不味いんです
 粉末を液体に溶かして飲むのですが、正直飲めたものじゃありません。満腹感もありません。私のような人のために、エレンタールを処方してもらうときには、イチゴ等のフレーバーの粉末や、ゼリー状にするための粉末を合わせてもらうことができます。それで、何とか食べられるものにはなりましたが、3食ともそれとなると気が滅入ります。甘いフレーバーばかりだったので、塩気のあるものが欲しくて、一緒に具のない味噌汁を飲んだりしていました。もともとグルメな方ではないですが、普通の食事ができないとこんなにもストレスが溜まるのかと実感しました。飲み会など、人と食事をして交流する場にも出られなくなってしまったので、それもストレスでした。
 エレンタール生活は2週間ほどで終わりましたが、その後も何度か同じことがありました。エレンタールが嫌で、症状が悪化したらウィダーインゼリーとカロリーメイトでしのぐ、ということもやっていました。体重が激減して、周りに心配されたこともありました。トイレの往復もありますし、活動期は何もできないくらいです。これでも入院にはならなかったレベルなので、入院が必要だった安倍さんには本当に同情します。

どうしても生活に制約がかかる

 エレンタール地獄を乗り切った後、症状は再び落ち着いて寛解期に。その頃、ワーホリに行くことを考え始めるのですが、薬が毎日必要なので、滞在中に薬を処方してくれる国にしなければなりません。各国の医療制度を調べたところ、イギリスとアイルランドなら、現地の医療制度を使って安価で薬を手に入れられそうだと分かります。そして、実際にイギリスに行くことになりました。
 海外に行くとなると保険がつきものですが、持病があると保険は入りにくいんですよね。持病がない人よりも高いお金を払って、限られたプランに加入することになります。
 幸いイギリスでは体調も良好で、薬の処方も問題がなかったのですが、今度は帰国後の行き先で悩みます。定期的に病院で薬をもらわなければならないからです。難病なので、どの薬局にも薬があるとは限りません。(実際、東京の薬局に行っても在庫がなく、取り寄せてもらった経験がありました)
 病院も、小さな診療所では対応できないこともあるので、それなりに大きな所に行かなければなりません。
 病院へのアクセスが悪い所には引っ越せない、という不便さが、ずっと付き纏うのです。

現状は?

 幸い、今は職場から近い所に病院もあり、安心して生活できています。しかし、直近の検査結果を見ると、今の病状はどちらかというと悪化傾向。日常生活が送れないほどではありませんが、気を付けなければなりません。
 ストレスが溜まるとついお酒に手が伸びてしまう性格なのですが、悪化しているときにお酒を飲むのは傷口に塩を塗るようなものだということで、自粛するに越したことはありません。(でも買ってしまうときもあるのです……!)とにかく、普通の食事を摂れることって、本当に幸せなことなんです。

 ここまで読んでくださった皆様。安倍政権に対して言いたいことはたくさんあると思いますが、どうか病気のことで安倍さんを責めるのはやめてあげてくださいね。

いただいたサポートは、活動費に充てさせていただきます(*^-^)