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見送り

あの日、カフェを出てから
笑顔のひよりが、じゃあね、と、駅へと歩き出した。

駅の方向にくるりと勢いよく向いたひよりの長い髪が、揺れて半回転した。

それからだんだん小さくなっていく後ろ姿を私は見送りながら

あぁ、もしかしたら、この子と、もうすぐ会えなくなる日が来るのかもしれない、でも、なにがあってもこの後ろ姿だけは忘れないな、

って、そう思ったんだよ。

もしも生まれ変わって、何百人、何千人の、人の群れの中にあっても、絶対にわかる、すぐに、ひよりちゃんだってわかる、後ろ姿ですぐに気づくよ、忘れないからね。

大事な人とは、もしもこの世で会えなくなったとしても、絶対また会える、ってそう確信したんだ。

あの時の確信は、なんかもう、絶対で、
だから、私は今でもそう信じてる。


東京駅。やまびこ153号の見送り。

これもまた、きっと、すぐに、会えるから。


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