ESMO 尿路上皮癌ネタ

今回のESMOで一番激震であったと思われる分野。

https://gantaisaku.net/checkmate901/

https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa2309863


GEM-CDDPにニボを上乗せするデータ。CM901
これと似た試験で、アテゾリズマブとペンブロが
コケていたので、(下のスライド参照)
非常にインパクトがあるハズだったのだが…

このスライドがまとまっているが、ニボやった~
と思ったら、

https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/search/cancer/news/202310/581684.html

https://gantaisaku.net/keynote-a39/




こちらも分かりやすい

とESMO会場でスタンディングオベーションが
巻き起こったというEV-302試験
(パドセフ+キートルーダ)
キートルーダは約2年維持で
パドセフは続く限りずっと入れるらしい

上の比較スライド★ を見ていただければ
わかるが、CR率は高いが、CM901も十分高い。
(3割と2割、という感じか…)

しかしながら
EV-302 vs. CM901 で
OS中央値 
31.5か月 vs. 21.7か月
OSのHR
0.47 vs. 0.78
PFS中央値
12.5か月 vs. 7.9か月
PFSのHR
0.45 vs. 0.72
というEV-302大勝利。
(特にPFSはかなりの差がある。 〇スライド参照)

副作用はMedscapeの記事には
「少ない」
とあるが、全く違う副作用が出ているので
その辺は??

まだinmatureな結果ではあるが
4~5割当たりでテイルプラトーなPFSなのはスゴイ
CM901は1~2割

まだ中間解析なので、今後どうなっていくかは静観。
クロスオーバーなどの問題もあるでしょうが、PFSのプラトーの高さが
今後も維持されるのであれば、脅威。

ADC+IOというのが今後再現性のある
破壊力を示すかは他がんでも期待

切除可能のネオアジュバントでddMVACにデュルバルマブ投与(±イジュド)の上乗せは…

という試験も発表されていて、結果も結構いいと思うのですが、
完全にかすんでいる感じ…

もうひとつ膀胱がんで注目のものとしては

Xの動画を見てもらうとわかりやすいが
コイン一個ぐらいの大きさになる徐放性にGEMを
放出するTAR-200というブツ。
経尿道的に入れるようだ。

試験的には非筋層浸潤の膀胱がんで、
BCGができない/不応の患者さんを
対象に行ってCR維持が23/30となかなかのもの。
免疫チェックポイントとの併用試験が走っているようだが
いろいろ調べると

同様の併用療法とケモラジを比較する、という
III相試験が走っているらしい
(こちらはなんと筋層浸潤がん!)
個人的にはTAR-200をRTと組み合わせる方が面白いと思うが…
(すんごい副作用出るかもですが)

これだけ効く薬剤が出てくると
EV+PEMBでネオアジュバント→効いていたらTAR-200併用のCRT→維持ICIで
かなり進行期でも(下手したらオリゴメタぐらいも)膀胱温存して
長期生存も可能な時代になるのかもしれない…
恐ろしや~

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