お勉強266:ASTRO脳転移ガイドライン

Medscapeのまとめ

脳転移のASTROガイドライン
https://www.practicalradonc.org/article/S1879-8500(22)00054-6/fulltext
の概説
(本文はめっちゃ長いが、読みたい方は読んでみてください)

あくまで初期治療、固形腫瘍であることが前提。

※SRSの線量(SRTの場合の線量)
2cm以下 20-24Gy/1Fr (27Gy/3Frもしくは30Gy/5Fr)
2-3㎝ 18Gy/1Fr (27Gy/3Frもしくは30Gy/5Fr)
3-4㎝ 一回照射はあまり勧められないが、するなら15Gy/1Fr
    27Gy/3Frもしくは30Gy/5Frを推奨

4cm以上 基本手術を考慮、難しいならSRTで 基本6㎝以上は勧めない

※症状がない場合
PSが良い場合(0-2)
SRSが1-4個の転移であれば推奨
5-10個でも場合に合わせて推奨(!)
サイズが大きい場合・浮腫が見られる場合は
脳外科とよく相談

※CNSに有効性のある薬があるが、症状がある場合
すぐに放射線か、手術を強く推奨

※症状がなく、CNSに有効性のある薬がある場合
集学的なチームで患者中心に考えて
局所治療を安全に行えるか
考慮することを場合に合わせて推奨

※WBRTは
「手術やSRSができないような」
「予後が良好と推定される」場合に推奨される
線量は30Gy/10Frを推奨している
海馬回避が記憶力に配慮するために推奨される
メマンチンも推奨
SRSにWBRTの追加は推奨されない

※予後の悪い患者はWBRTではなく
BSC(ステロイド等)を選択する。症状があって
WBRTをするのならば短期(5Fr程度)のWBRTを行う。

※切除した場合
・切除を行った場合、基本的には局所制御を
上昇させるため、RTを行う
(JCOGの試験無視?)
・切除後、残っている転移巣に対しては
QOLは維持し、認知機能を守るため
WBRTではなく、SRSが推奨される
手術後のcavityサイズで一回照射のSRSの線量は変える
4.2cc以下  20Gy
4.2-8cc   18Gy
8-14.4cc   17Gy
14.4-20cc 15Gy
20-30cc 14Gy
30cc~(5cmをマックスとして) 12Gy
・SRSを術後照射にする代わりに
切除前にSRSをするのも場合によって推奨

普通のWBRTの立場はどんどん狭くなっていっている印象。
というか、するなら基本海馬回避、メマンチン
というのがスタンスのよう。
普通にWBRTするのは、
「末期だけど…症状あるしやっとくか。5Fr程度で」
の時ぐらいか?

日常臨床との乖離が…

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