お勉強381:JCOG0701追加解析

https://www.redjournal.org/article/S0360-3016(23)04477-2/fulltext

JCOG0701の追加解析
JCOG0701については

https://jcog.jp/document/s_0701.pdf

が公式報告書
論文は

https://www.annalsofoncology.org/article/S0923-7534(19)45480-X/fulltext

前回は3年無増悪などが評価されたが、
今回は中央フォローアップ7.1年での解析
(前回の論文は4.8年)
※解析のデータカットオフは2020年6月。

・全生存(OS)、無増悪生存(PFS)、
中枢神経虚血(CNSI)を含む晩期有害イベントを解析

・5年PFS
SF 76.2%、Ax 78.2%。
・7年PFS
SF 72.7%、Ax 74.8%
両群間に有意差なし(p=0.44)

・7年局所制御
SF18.4%、Ax10.9%(有意差あり)

・5年OS
SF 92.7%、Ax 89.6%。
・7年OS
SF 90.8%、Ax 86.5%。
両群間に有意差なし(p=0.92)

プロトコール治療が行われた患者366例において、
累積晩期有害事象を解析
8年累積晩期有害イベント発生率は、
SF 11.9%、 Ax 7.4%
(HR 0.53, 95% CI: 0.28-1.01, p=0.06)
とギリギリ有意差なし(SFのほうが多い!)

G2以上のCNSIは、SFに多い傾向がみられた
(4.1% vs. 1.1%, p=0.098)。

と、試験としては
一応統計のマジックで非劣勢は示されなかった
結果としてはnegative studyだったJCOG0701ですが、
実臨床でこの結果からAxがあかん、という人は
いないと思われます。Axのほうが利便性もありますし
晩期有害事象もAxが少ない傾向にあり、
Axを積極的に使っていく方向性でいいのでは?と思います
(放射線生物学的には非常に謎ですが…
 BED3はわずかにAx群が下なので、
 それが理由なのかもしれません)

診療報酬改定が望まれます!

筆頭著者の古平先生の解説動画

https://www.redjournal.org/video-do/dr-takeshi-kodaira-ax-vs-sf-early-glottic-cancer


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