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ジェットコースター人生  53-7

神戸、旧居留地のオリエンタルホテルは2010年に建て替えられた新しいホテルです。

そのホテルで披露宴をすると娘から聞いたときは私の気持ちを汲んでくれたみたいで嬉しかったです。(ただ単に神戸で挙げたかっただけだったらしいです)

子供のころ、明治生まれの祖父は時折この石造りの街に連れて来てくれました。用事が済むまでおとなしく待っていると必ずチョコレートを買ってくれました。そのころからこの辺りの街並みが好きでした。

ホテルはスッカリ近代的な建物になってはいましたが、落ち着いた雰囲気でこの街に溶け込んでいます。

挙式の感動のまま披露宴は始まりました。

何ヵ月か前に一緒に選んだウエディングドレスを着て娘は幸せそうです。

7キロのダイエットを成功させるなんてあのずぼらな子が…。と思うと真剣さが伝わります。

宴もたけなわ、いよいよエンドロールに小さなころの写真が次々と現れました。病院での赤子をのぞき込む小さな兄と若い父親。家族4人で行った旅行のスナップ、誕生日、ケーキのロウソクの火をほっぺを膨らませて吹き消す様子はついこの間のような光景です。

その時、隣の兄が小さな声で「あかん!」「何が?」

声を出して泣いています。姉たちもいろんな思い出が一気に噴き出した様でいとこたちは席を外しました。パウダールームで二人は嗚咽するほど泣いたそうです…。

いよいよ花束受け取る、親泣かせのクライマックスシーンです。娘の手紙には父への感謝の言葉もありました。前泊のホテルで彼に聞いてもらって練習したそうです。その時も二人で大泣き!したと後日聞きました。

兄の大泣きにみんなもらい泣きでしたが、いい結婚式でした。

結婚相手にどんな人を選ぶか!それは私への通知簿。

どんな育て方をしたのかの答えであるとずーっと思っていました。

娘から私に卒業証書が送られた気がしました。





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