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我が家の証

病院のご飯、薄味ですが,負傷した体にとても温かく、美味しくいただきました。

食べたものが血となり肉となる。今回の食事がそのままと言うには先のことですが、美味しくいただけることへの感謝で毎回完食しました。

退院後、ご飯を炊きました。と言ってもほとんど息子のお陰ですが、
「初めて家に帰って来たのだ!」と実感しました。新しい生活が動きだした!少々オーバーですが…。

子持昆布に、明太子。納豆は生卵と九条ネギ。
インスタントの味噌汁はなめこ。

ナンテごちそうなんでしょう!
ニケは散歩に連れて行ってもらえたので満足そうにしています。
「お帰り!」と言うとスキップするみたいにご機嫌で笑っています。

1ミリぐらいよくなった?だんだん動きたいという気持ちが湧いてきているのですが、うまくいかない左手がストップをかけます。

何処にでもすぐになじむ方だと思っていますが、家に帰ってホッとするのは、その家ごとの匂い。それが証。

よく子供たちが二人で実家に行くと「おばあちゃんちの匂い!」と言ってました。

孫たちも我が家にどんな匂いを感じているのでしょうか?
私のことをシナモンの香りがすると言ってましたが、それは実際コーヒーに入れているもの。

家、丸ごとの物ではありません。
生活の匂い。お菓子、ペット、嗜好品。
窓を開けると山の風。庭のハーブの香りはかすかにして、きっと知らぬ間にそれぞれの鼻腔の奥底に落ち着いているのかもしれません。

街角ですれ違った紳士のたばこの香りは父を思い出します。
「あれ!この香り。」それはどんな場所に居ても遥か遠くの人を思い出したりその場面に連れてきます。

そうそう「ただいま!」とニケを抱いたときの匂い。
よい香りではありませんが、紛れもない彼女自身。
おとなしく私の腕の中、母親みたいに優しい目で見つめてくれました。

今までもゆっくり過ごしていたと思っていたのに、モットゆっくり時計の針は動いています。

今でしか味わえないこと、思えることはきっとあるはず。
この時を楽しみたいと思います。

今日もいい日にしましょう!



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