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我が家の卵焼き

それぞれの家庭の卵焼き。甘いのやら、ふわふわの、大根おろしを添えたり、サーっと薄口しょうゆをかけるなどおうちによって違います。

実家の母の卵焼きはシンプルなしょうゆ味で、すこーし焦げ目がありました。

結婚前、何回目かのデートとなりお弁当をもってドライブに行くことがありました。

もれなく?お弁当など作ったことが無く、ほとんどの中身は母の手作り。

美味しい美味しい!と食べる様子を複雑な気持ちでいました。

卵焼きを見て「君んとこの卵焼き変わってるね」と言うのです。

これは卵焼きではないと言わんばかりに自分の母親のそれの自慢話になり

私が作っていたならそうでもなかったのですが、だんだんと不機嫌(多分)になって持ってこなければよかったというところまで…。私も若かったんでしょう。

結婚して、その味をしっかり習うようにとミッションが下りました。

義母は待ってましたとばかり、腕前を振るうのですが、調味料はパッパッと

醤油はシャーと、なかなか早くてついて行けません。

出来上がったのはふあふあのだし巻きで、本当においしそうです。

なかなか手の内を見せないラーメン屋の店主みたいで、それならば、味から推察!と頭の中は調味料だらけです。

昭和の嫁の役目はその家の味を受け継ぐことも大きな仕事でした。

今では私の得意のおかずの一つになって堂々としたものです。

でもあの義母の味ではありません。(きっと!)

主人が今食べたならどんな感想を言うのか聞いてみたくなりました。

子供や孫は楽しみにしてくれている卵焼きですが、そんな小さなおかずにもその家庭の中で苦難?の道を乗り越えて新しい味が生まれました。

あの時苦戦していた私に「大丈夫よ。」と言ってあげたいです。

家庭の味は変わっていっても母の温もりりは変わらず受け継がれることを…。

日本人はみんな?卵焼きが大好き。昔、巨人、大鵬、卵焼きと言う流行語がありました。

プロ野球の巨人、力士の大鵬、そして母親の作る卵焼きです。
私は野球には興味が無く父親は阪神ファンでしたし、大鵬も年寄りが見るスポーツの人ぐらいに思っていました。

でも卵焼きは大好き。特に叔母の作るだし巻き卵は絶品で、それだけでごはんを何倍も食べることができるくらいのレベルでした。
もちろん叔母の得意メニューの一つでした。

それぞれの味があり、どれも捨てがたい美味しさがあります。
それはきっと菜箸と卵焼き器を絶妙に使いこなして焼くとき、「美味しくなあれ。」と言ったかどうかは知りませんが、それぞれの愛情を感じることが出来るからです。
里帰りした娘たちに湯気の立つ卵焼きをテーブルに持って行ったら拍手が沸きました。

一番喜んだのは娘。小さなころから大好きでした。いくつになってもふわふわのこれを見たら童心に帰るのでしょう。

それを食べた方も作った方もなんだか幸せにしてくれる卵焼きです。

今日もいい日にしましょう!





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