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昭和のお中元

日本には1年を通じていろんな行事があります。

最近,合理的な考えをする人によってだんだんとすたれていっているようですが、それを良い悪いと決めつける気はありません。

ただ日本のよき風習、慣習は大切にしたいものです。

小さな時はこの時期、たくさんの贈り物らしき荷物が毎日のように届きました。

その荷物を一つずつ手に取って「○○おじさんは今年も元気そう。またこちらの日本酒を送っておきます。」と母が言い、ちょっと手紙も添えるからと祖父が一筆書いていました。

多いのはやはりそうめん。夏休み、まいにち毎日お昼ご飯はそうめん。食欲のない大人には良いのでしょうが食欲のある子供たちにはまた~となります。

次はカンズメ、鮭や貝柱、コンビーフ。
キャビアをいただいたときは黒い小さな卵が気持ち悪く腐っている!と思ったものです。中には蜜豆もあり、全部それならいいのにと毎回思いました。そうそうカルピスの詰め合わせの送り主は大人気です。濃い目に作る父と薄めの母。私には作らせてもらえませんでした。

丁度7月は盂蘭盆会、祖先の霊を供養する日が中元です。

お供え物にと果物やお菓子。田舎からはアユの甘露煮。たまにお餅と地味なクリスマスプレゼントのようですがそれはそれで楽しみでした。

「お盆はご先祖様が帰ってこられる日だよ」と教えられていつもより仏壇はたくさんのお供物で賑やかでした。

最近は娘一家が帰省の折たくさんのお供えを持ってきてくれます。

孫たちと楽しそうにお供えして最後はチーン!とおりんを鳴らしますが、何度も鳴らすので叱られるのが長男から次男へ、今度は末娘と子供のすることは同じだなあと笑ってしまいます。もちろん息子も娘も同じようなことをしてました!

そのお供物にと持って来たお菓子は娘が食べたい、今はやりの洋菓子であったり、私の大好物のお団子や、和菓子。孫たちの好きなクッキーとさぞやご先祖様はあきられていることでしょう。

しばらくするとお茶にしよう!となり孫たちが競争のように二階の仏壇迄駆け上がります。

こんな賑やかな様子を見せることがご先祖にとって一番の供養と決めていますが、主人の好きだったカステラが供えられたことはあまりありませんでした。子供たちはそれが好物だったことも知らないでしょう。たまにデパートでカステラを見つけると買って帰って私は紅茶と一緒にいただきます。その時もお供えしている時間は短めです。

毎年贈るお中元は日頃の感謝と「元気に生きてます。」との報告もかねて、これからも続けたい慣習の一つです。

その後のお礼は昔は電話か手紙と決まっていましたが、今は年齢とは関係なくみんなLINEとなりました。80歳を超えた叔母はスタンプも!元気な証拠と安心しました。

梅雨が明けたら蝉の声が庭中に鳴り響くでしょう。

今日もいい日にしましょう!



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