ちょあ

セウォル号沈没事件から5年

どうも!日韓なんでも同好会フジモンです!

今日4月16日はセウォル号が沈没して5年です。

今回は改めてその経緯も書いていこうと思います。

2014年4月16日午前8時50分頃、韓国仁川(インチョン)の仁川港から済州島(チェジュ島)へ向かっていた、清海鎮海運(チョンヘジン)所属の大型客船「セウォル号(世越、SEWOL)」
これが韓国南東部の沖合で転覆し、1時間50分後に沈没。
この事故で、修学旅行中だった韓国、檀園(タヌォン)高等学校2年生の生徒250人を含む計304人が死亡しました。

赤字を恐れるあまりの出航

2014年4月15日は、檀園(タヌォン)高等学校2年生の生徒たちの済州島への修学旅行の初日でした。

しかしながらその日の天候は濃い霧にあたりは包まれた悪天候。
午後6時半に出発予定だったのが午後11時まで待つことになってしまいます。

大型客船の運航は本来視界が1㎞以上ないといけいないらしいんですが、その日は800m…

これにより修学旅行自体がキャンセルになるかもしれない状況だったわけです。

しかしながら、実際船会社は、こんな悪天候にもかかわらず出港を決めていました。
なぜなら、乗船を予定していた400人以上もの客を乗せないことで発生する赤字を防ぎたかったからです。

その日、仁川(インチョン)港にいた大型船10隻のうち、出港を決めたのはセウォル号ただ1隻のみだったんですよね。。

当然、キャンセルになるかもしれなかった旅が予定通り執り行われることに高校生たちは大喜びしたようです。
定刻から2時間半遅れの午後9時頃、セウォル号は出港しました。

問題は船員にもあった!?

実はその日、セウォル号の運行を指揮するはずだったシン船長が休暇中だったため、イ・ジュンソク氏がピンチヒッターで船長を務めました。
(イ・ジュンソク氏は当時69歳という高齢者)

さらに副船長だったチョン・ヨンジュン氏はなんと、前日に入社したばかりの新米だったんです!!!

さらにさらに出港前、積荷を管理する作業員が、
異常な車輌数や鉄筋など、積荷の過剰な量に危機感を感じ、三等航海士に意見をしたんですが、
「船長が許可しているから大丈夫だ」とのことで終わり。

400人以上の命を預かるには不安な布陣だったと言えます。

そして翌日4月16日の朝8時頃(事件発生50分前)
船は韓国南東部沖合の潮の流れが速いメンゴル水道を航行中でした。

ここは操舵が困難な海域として有名だったんですが、通常は一等航海士が担当しなければいけないところを、
入社して4ヶ月の未熟な三等航海士パク・ハンギョル氏(当時26歳)が担当させられていました。

その頃生徒たちは修学旅行の浮かれから前日も就寝が遅かった為、
朝食を取って再び客室へ

そして事故が起きる…

そのパク・ハンギョル氏の指示で急な左旋回操舵をしたことによりセウォル号は左舷側を下に横転…
(船内の人や積荷はすべて左舷側へ偏ってしまいました)

実際この初期事故だけでも当然怪我人は出てますが、船の中でもまだ負傷者が出なかった場所では笑って写真や動画を撮ったり、Facebookにアップしている人もいたんですよね!

その中でキム・ハンソン君という男子生徒は、船の横転直後に船窓から貨物コンテナなどが海上に落ちてしまっている状況を見てこれはただ事ではないと判断します。

そして、完全に傾いてしまった床を靴を脱いでよじ登り、客室内にある救命胴衣を皆に配りながら、
「船内に海水が入ってくるぞ!」とできるだけ多くの仲間に告げます。
(とても勇敢で素晴らしいですね)

しばらくして、
「その場を動かないでじっとしていてください」と、
乗組員から場違いな艦内アナウンスが告げられます。
(「救命胴衣を着用してください」という指示は一度もなく…)

船長は真っ先に脱出

実際事故の中でイ・ジュンソク船長やチョン・ヨンジュン副船長、他の乗組員達は何もせずただ怯えて救助が来るのを待っていただけだそうです。

もっと酷い船員がいて、ソン一等航海士とパク機関長という人は事故が起きた後も船体が傾く中で缶ビールを飲み、たばこも吸っていたそうです。

さらに事故時に操舵の判断をしていたパク・ハンギョル三等航海士は、
「自分の先輩と事故時に船室にいなかった船長へ責任を押しつける」
という内容のメールを交わしています。

そして、事故発生56分後の午前9時46分、
救助隊の救助第一号はズボンを脱いだ姿のイ・ジュンソク船長でした。
(船長である身分を隠すためにズボンを脱いだ)

救助も万事を尽くしてなかった?

韓国海洋警察は、船内には救助に向かうことなく、船外に出てきた人だけを救助していました。

映像には、船窓から窓を割ろうとする学生たちがいるにもかかわらず、そこへ向かうことすらしない海洋警察の姿がおさめられています。
もし、その窓を外から割ってでも救助活動してくれたなら、もう少し多くの生徒を助けることが出来たかも…

(救助員の命も預かる身としてはリスクはあるのかもしれないから、僕は頭ごなしに責めることはできないけれど…)

そして事故発生から1時間50分後の午前10時40分、セウォル号は沈没しました。

その後

乗船していた476人のうち、檀園高校の人間は、生徒325人と先生14人です。

そしてこの事故の死亡者数304人のうち、

檀園高校の生徒は250人死亡、先生も11人死亡しました。

さらにこの亡くなった先生のうちの1人はカン・ミンギュ教頭で、
実際は救出されているんですが、
その3日後に「あの世で生徒たちを教えたい」との遺書を残して高校の体育館が一望できる山の丘で首を吊って自殺してしまいました。

最後に、捜索作業員として韓国海軍兵 1人と民間ダイバー2人、消防隊員5人もこの事故救助で死亡しています。

船長、副船長を含めた計15人が逮捕され、船長に対しては殺人罪で無期懲役。
その他の14人は遺棄致死罪等で1年6ヶ月〜12年の刑をそれぞれ科せられています。

さらに、当時セウォル号の運航会社「清海鎮海運(チョンへジンカイウン)」の代表だったキム・ハンシク被告(71)に対しては懲役7年〜10年の判決が言い渡されています。(代表にも当然責任がいきます)

セウォル号のオーナーだったユ・ビョンオン容疑者は、事故後に逃亡して指名手配されましたが、果樹園で遺体となって発見されました。

加えて、初動救助が不十分で救助がいい加減だったと指摘された当時の海洋警察救助艇長は、「業務上過失致死」の罪で懲役4年の実刑判決が下されいてます。

裁判も遺族側が勝利

この事故で118家族の遺族が国と運航会社に損害賠償を求めた裁判が行われました。

ソウル中央地裁は、国と運航会社の責任と韓国政府の過失を認め、
犠牲者1人あたり2億ウォン(約2000万円)の慰謝料など、
総額約720億ウォン(約72億円)の支払いを命じる判決を言い渡しました。

最後にフジモンが思うこと

ここには書きませんでしたが、船の積載量や改造、出港前の積載量ごまかし対応などなど、

事故に直接つながる問題も多く、本当に遺族の方々は悲しみや怒りなど、多くの感情を感じたことだと思います。

高校二年生っていう、まさしくこれから自分たちの希望が大人になっていく一番大切な時期の子供達を失うことは何にも代え難い痛みだと思います。

僕自身も正直この記事を書くために調べ、そして書かせていただく中で、本当に胸が痛くて涙が溢れてきました。

僕自身は個人的にプールやら湖やら海やらで溺れた経験が多くて(泳ぎが下手で子供の頃はカナヅチだった)水とか苦手なんですよね。

こう言う船乗りものだったり、海洋救助系の映画やドラマを見てても思いますが、逃げ場がないまま溺れて死ぬというのは本当に怖ろしいことだと思います。

刻一刻と沈んでいく船と海水や積荷、瓦礫などで行く道が無くなっていく船内。

その恐怖はとんでもないと思います。

晴れ渡った空とはかけ離れた暗さもまたそれを助長します。

そんな中で、自分の同級生や友人達が溺れ死んだり、転落死したりと悲惨な現場を救助された人も見てきているはずです。

心の傷や恐怖はお金や有罪で消えるほど簡単じゃないでしょう。

恐怖の中で溺れて亡くなっていった300人以上の人たちのこと、

そして生きながらえてもその恐怖が染みついている方々のことを考えると、

本当に胸が痛いです。

まさしくこれから!!

もっと楽しいことややりたいことが待っていたであろう未来。

恋に遊びに夢に、、希望でいっぱい溢れてたであろう現在。

受験に悩み、恋に悩み、未来に悩んでいたかもしれない。

それでもこれからやりたいことだってたくさんあったはずです。

でもそれは、身勝手な大人達と、自然の猛威によって失われてしまいました。

5年前、夢や希望を持った多くの失われた尊い命たちの分まで、

僕たちはどんなことがあっても自分の人生を諦めず、逃げ出さず、強く生き抜いていかなけれいけないと感じます。

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僕たちはこのセウォル号事故のことを忘れません。

そして日韓なんでも同好会ではただいま韓国江原道で起きた山火事事件に対して寄付活動を行なっております。

韓国の友人を通して、国から唯一道められている支援団体に寄付するルートをちゃんと確保しております。

(しかもその友人は韓国の税理士さんでお金管理も含めて信用できます)

どうか一つ、大好きな韓国のためにできることをしたいので、ご協力よろしくお願いします!
(連名で支援させていただきます!)

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