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Vol. 81 お客さま満足度調査の活用方法~「個人の業績評価」について

                           (2023年7月)


金融ソリューションチームコラムの第81弾をお届けいたします。

お客さま満足度調査(CS調査)の結果の活用方法として、営業担当者個人の業績評価に利用したいということをよくうかがいます。

業績評価ということは、営業担当者の昇進や昇給、賞与額などにも大きく影響してきますので、評価される側にとっても納得感のある方法である必要があります。

今回のコラムでは、業績評価に利用する際の注意点について、いくつか簡単に整理しました。

①サンプルサイズは十分か
少数の回答だと、たまたま1人から厳しい意見があった場合などに、その回答の影響が大きくなってしまうため、営業担当者1人当たりの回答数をできるだけ増やすことが必要です。

回収数を増やすための取り組みとして、年1回の詳細項目まで聴取するリレーショナル調査と、接点を持った都度に簡易な項目に絞って聴取するトランザクション調査をセットで実施し調査の対象者数を増やす方法や、謝礼の工夫などで回収率を向上させる方法(※)などがあります。

※回収率向上の工夫については、Vol.79「郵送調査回収率向上策」で詳しく説明しております。下記からもご覧いただけます。

②業績評価の要素が複数ある
次のようなケース、みなさんはどちらを高く評価しますか。

・新規開拓をバリバリやっているが、既存のお客さまのフォローが不十分
・既存のお客さまのフォローは徹底しているが、新規開拓をやっていない


おそらく、「どちらもいまいち、バランスよく」と思った方が多いのではないでしょうか。
弊社がお受けした業務で実際にあったケースなのですが、お客さま満足度調査は既存のお客さまが調査対象となるので、調査結果だけを見ると後者の方が高評価となります。

お客さま満足度調査だけでは営業活動の一側面しかとらえることができないので、あくまでも評価の一要素として活用することが重要です。また、評価時にどの程度お客さま満足度調査の結果に重みを置くかも、納得感が必要です。

③正しく担当者を評価しているか
満足度やNPSの評価理由の自由回答を読んでみると、

・担当が変わってまだ1年なので、前任の担当者について回答した
・担当者は本当に頑張っているが、会社の方針に納得できず低評価にした
・紹介する相手も機会も全くないため0とした (NPS設問の場合)

といった、担当者を正しく評価していないと考えられる回答があります。

このようなケースの対応策として、少し時間はかかりますが、自由回答を1件1件確認し、担当者を正しく評価していないと思われる場合には、担当者評価の対象から除外するといった対応をさせていただくこともあります。

ぜひ、営業担当者のモチベーション向上につながるような業績評価への組み込み方やフィードバック方法など、一緒にご検討させていただけたらなと思っております。
まずは、ディスカッションからでも結構ですので、ぜひお気軽にご相談いただけましたら幸いです。

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■今週の執筆者■
佐々木 孝広(アカウント第1部)

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日経リサーチ 金融ソリューションチーム finsol@nikkei-r.co.jp
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