見出し画像

徳山ダムと沈んだ村

日本一ムダなダムを
ご存じでしょうか

そう呼ばれているのは
岐阜県揖斐川町にある
『徳山ダム』です

もともとは
岐阜、愛知、名古屋に
給水するためのダムとして
計画されたようです

静岡県の浜名湖二つ分という
日本一の総貯水量を誇る
徳山ダムですが

これが今もなお
水一滴すら使われておらず
放置されているのが現状です

徳山ダムの建設で
つぎ込まれた費用は3500億円
導水路事業に890億円

計4390億円は
某年の愛知県の
一般会計予算の
5分の1に相当します

そしてダム建設のために
そこにあったはずの徳山村は
今では水に沈んだ村となりました



当時はそこに暮らし根付いていた
人々が1500人ほどいたのです

春はコゴミ、わらび
ぜんまいなどの山菜狩り
田んぼや畑で忙しい季節になる

夏になるとマムシが出て
貴重なたんぱく源として

焼いて頂いたり
マムシ酒にもできるとか

川魚もとれるし
秋は山の実も豊富で
なかでも土地の実は
この地で大変重宝されていました

お正月にはトチ餅にする
野生の自然薯を掘ったり
イノシシを刈ったり…

冬は宴が多く
夜中まで笑いが絶えない

とにかく楽しい
季節だったそうです

そしてある日を境に
国から伝令が届き
立ち退きを命じられました

そこから村人たちは
徳山ダム開発計画という
国の政策に翻弄されていきます

当然、自分たちの村が
水に沈むのですから

村人は激しいデモで
抵抗したそうです

一時は役人も入村を
許されないくらい殺伐とした
雰囲気だったと記録に残っています

しかし一村では
国の一存に抗えることはなく

6年ほどの歳月をかけて
村人全員が他の土地へと
移り住むことになりました

訴訟にまで発展したこの件は
結局は「ダム建設は憲法違法にならない」という

最高裁判所の判定により
訴訟した村側は敗訴します

”””

一部の内容を徳山村出身の
平方浩介さんが語ってくれています


私がこのダムに
足を運ぶことになったのは
2022年の5月でした

正直なところ
名前は聞いたことがある…
その程度の認識でした

しかし実際に沈んだ村を
目の当たりにすると
他人事とは思えない
感慨深いものがありました

その場に立ってみると
道路が急に浸水していたり
道路標識が未だに残っていたり

人が住んでいた
名残はあるのですが

どこか寂しい
雰囲気が否めません

一体このダムが残したものは
なんだったのでしょうか


「村をつぶしてまでも、
そのエネルギーを得ようとする
人の生き方に疑問を持っていたい」


30年以上徳山に通い
現地の写真を撮り続けている
大西さんという方の言葉です

ダム開発には自然環境の
問題も伴うので

それを守ろうとする
運動もおこりました

声をあげるのは
大事なことだと思います

それで存続した自然環境がこれまで
いくつもあったことかと思います

ただやり方によっては推進と反対の
分断や対立が起こるのもまた事実

水を含めた自然たちは
存在を救ってほしいとは
思っていません

それよりも変わる
必要があるのは人間の心
我手放すはその傲慢さと利己の心



「自然に生かされている」

これを忘れてしまっては
生きとし生けるものは

何を糧に命を
育んでいけるのでしょうか

このダムが残したものは
なんだったのでしょう

2020から続く(それより前も)
コロナも含めた自然現象は
繰り返し人間になにを
訴えているでしょうか...

最後まで
ありがとうございます☺︎

サポート費用はすべて巡り旅の 活動資金として大事に使わせて頂きます 温かい応援に心から感謝いたします