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宿題しない兄と、する妹の話

私には小学5年生の息子と、小学1年生の娘がいる。
お金の教育の記事で、沢山書いていたときに彼らのパーソナリティについても色々と書いてきた。

すんなり宿題する娘に驚愕

娘が小学生になった。

女の子はしっかりしてると聞いていたが、こんなにかと驚くことが多い。
プリントは提出するし、鉛筆は削るし、給食の割烹着は洗濯に出すし、連絡帳の字も読める。
これは、息子=普通の小学生だった私にとって衝撃的なことで、「なんっっってお利口さんなんだ、この子は!!!」と毎日感動していた。

中でも衝撃だったのは「言われなくても宿題をやる」こと。

ええと、ごめんなさい。そんなの普通でしょと思った方おまちください。
息子の自由ぶりに感覚が麻痺しているんです。さっき上げた例のすべてをやってこなかったんです。
プリントは出さないし、鉛筆は木の枝みたいになっても削らない、給食袋を出すのは月曜の朝、連絡帳の字は本人ですら読めないレベル。
もう生きて帰ってくれば100点満点という水準まで自分の感覚を落とし込んできたんです。5年間かけて。

もちろん娘も、毎日何も言われずにやるわけではなく、好きなテレビが見たいとか、お友達と遊びたいとかで後回しにする日もある。
なんだかやる気が出ない日もある。

それでも、ちょっと説得すればなんだかんだやるのだ。
「えーめんどくさいなぁ、じゃあこれ見たらやるよ」といって、やる。

なんて素直で真面目で良い子なんだ!!!!!とそのたびに感涙ものだ。

宿題に何の恨みがあるのか

どんだけ上の子に苦労したんや、と思われるだろうから説明すると、息子は「宿題に親でも殺されたんか」というほど宿題が嫌いだった。

とにかく宿題というものが嫌いだった。
たとえば1年生の最初の宿題なんて「あ」を1文字練習するだけとか、うねうねの線をなぞってみましょう、位のレベルだ。
1分で終わるような宿題。
それでも決してやりたくないようで、激しく抵抗した。
当時リビング学習だったので、やりやすいようにあれこれ環境を整えてもダメ。
「筆箱とプリントをランドセルから出す」という行為を引き出すまでに30分くらいかかる。
なだめたりすかしたり褒めたり叱ったりあーだこーだする。
そこからさらに30分くらいすったもんだ格闘してやっと宿題をはじめて、1分後に終わる。トータル1時間。

当時は私も出社する仕事だったから、大急ぎで夕ご飯も作らなければならない。疲弊の極みだった。

もちろん当時の私の検索履歴は
「小学生 宿題 しない」
的なもので覆い尽くされていた。
あらゆる記事を読んで、数少ないママ友や先輩社員にも相談して、あらゆる方法を試した。
私の説得方法の引き出しは、一般の親(ってなんだ)の10倍くらいはあったと思う。それくらいあらゆる方法を試みてもダメだった。

先生に怒られるまでほっておいても、相変わらずやらなかった。
ほっておけばいい、と数週間我慢してみたが、じわじわと「このまま放置していていいのだろうか、親として怠慢なんじゃないか」という不安に苛まれる。
先生にやり直しの付箋を毎日つけられても、彼は全く意に介していないようだったが、私はノイローゼになりそうだった。

彼の名誉のために言っておくと

彼は宿題もせずにYouTubeをみてた、とか自堕落に過ごしていたわけではない。
当時サメにハマっていた彼は、学童から帰ったらひたすらサメ図鑑を見ていた。好みのサメの絵を書き、図鑑を自作したり、レゴのサメでジオラマを作ったり、とにかくやりたいことがたくさんあったのだ。

彼の現在

息子は結局いくつかのきっかけがあって徐々に宿題をやるようになった。
しかし、学校から帰った当日は絶対にやりたくないので、朝早く起きてやるのが習慣化している。
自分でそうすると決めたら意思が固いタイプなので、本人に任せている。

夏などの長期休みのときはまた一味違って、それはそれで大変なのだが、私も鍛えられているので、心を乱されることもない。
どんな選択をしたとしても、君の人生の責任は君が取るしかないんだよ、とだけ言い続けている。
(言ったところで最終日に「模造紙がない!油性ペンがない!」と大騒ぎしてひと悶着あるのだが)

兄妹の違い

うーん、ネタが尽きない。
何がいいたいかというと、同じ腹から出てきて同じ親に育てられていても、ここまで人格には違いがあるということだ。
宿題ひとつとっても、こんなに違うのかと毎日首を傾げている。

どちらが優れていて、どちらが劣っているとも思わない。
息子の「宿題をしたくない」という鋼の精神は眼を見張るものがあるし(目を背けたくなるものでもある)
誰に何を言われたわけでもないのに丁寧に綺麗に字を書く娘の宿題プリントは、見るたびに「読める、読めるぞぉおお」とムスカになってしまう。

それぞれの性格に親から見た長所と短所があるのだけど、それも親目線であって、視点を変えれば長短も逆転するだろう。
第三者からみれば息子は「1つのものに集中できてすごい」と言われるし、娘は「優等生キャラすぎる」と言われるかもしれない。

どちらも愛してあげたい。
日常ではキィー!ってなることばかりだけど、本音はそう。
どちらも心から愛しているんだ。

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