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四石(席)目。 bed side編

吾、地獄の底にて沈殿する。

訳あって療養している。どうやら脳みそが溶けてしまったようで動詞や名詞や形容詞を使って発することもエラく面倒になってしまった。こんなものを上手く組み合わせたとて、どうせ深みのない深淵にハマってしまう。ならば捨てちまった方がよいなあと。ベッドサイドにて色々なタスクを捨てちまおう!今月はどんどん捨ててゆく月間に。澱んだ薄皮を剥がすように。ペロペロ!ポイポイ!

とにかく休んでいる。寝る。すげえ死ぬほど寝ている。こんなに寝れるんかい!って驚くほど寝ている。やべえ。やべえと思いつつも今までの睡眠負債をおっつけ返している。奴等は健康と引き換えにキリトリにくる取り立て屋なのでアホみたいに泥寝を貪って撃退している。ヤクルト1000効いてんのかも。

ヴザヴザとしているとマジで1日が早い。そもそもヴザヴザして来なかったので、こんなにも一日がヴザヴザしてると早いと知った時、放心してしまった。きっと濃密に長く消化してきてしまったと思うと、そりゃー擦り減るわなあと。とりあえず昨日は夜な夜な散歩をして五感に頼り、浸り、泥土化された脳みそを明瞭化しようと。ちょうど雨も降ってきて良い。シトシトとテクテクと歩いて洗い流してくれそう。とりあえず色々なものを叩きこむにはまずは捨てなくてはいけない。取り捨て選択もせずに上手くやるのも簡単だけど裏を返せば捨てられないものを美化して上書きするのはどうかと?ドンドンと打ち捨てて更新してゆこう。

着いた先は場末の酒場。各々に朽ち果てた枯木達が喉を潤している姿をみてまるでオバケのようだった。良い。砂時計を何度もひっくり返すような無駄な飲み方を見るときっと異界に通じているのかも…。しかも不思議なことに皆んな同じ食べ物と同じ飲み物を頼んで飲んだり食ったりしている。不思議すぎる。驚愕した。だって砂時計の代わりにもう一杯!とか抜かすんだもの。サラサラと無駄な時間を消化しては、自身の脳みその一部を垂れ流し、しっかりと五臓六腑に染み渡らせる諸先輩方達。20年選手や30年選手のプレッシャーも意外と励みになったりもする。古の知恵。酒場に智慧アリ!幸も不幸も関係なし。俺は赤星を片手にイカわたの沖漬けという謎のヤバイブツを見つけてチミチミほじくり返してはひっくり返して採掘していたが結局何にも出てこなかった。無…。打ち捨てた甲斐があった。最後の一口をパクっと平らげたら、大根おろしの荒削った破片が歯に挟まってお開き。人生はまだまだ難痒い…

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イカわたを腹わたに…。

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