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京都を暮らすように旅した7日間~2日目~(京大付近と哲学の道、朝から晩までたまご料理)

さて、滞在2日目の月曜日。1日目の記事はこちら。

2日目の朝ごはん~ボリュームたっぷりたまごサンド~

T女史と私は、滞在中に「たまごサンド」を食べると決めていた。たまごサンドといっても、普通の「マッシュした卵をマヨネーズで和えて挟んだサンドウィッチ」ではない。

関西のたまごサンドといえばこの、厚焼き玉子を挟んだものだ。

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ラッキーなことに、宿から徒歩5分ほどのところにたまごサンドを食べられるお店があった。

玉子だけの、シンプルな「たまごサンド」もメニューにあったけれど、名前に惹かれて「和風サンド」と「ミックスサンド」を注文する。

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サクサクのトーストに、シャキシャキのレタスとだし巻き卵。うう、美味しい。カウンター席でボリューム満点のサンドイッチを頬張りながら、目の前の道を学生さんやOLさんが足早に通り過ぎていくのを眺める。そうだ、今日は月曜日だった。

私たちの隣には、常連とおぼしき老夫婦。お二人はBセット(コーヒーとトーストだけのセット)を注文して、あっという間に食べ終わり、私たちより後に来て私たちより先にお店を出ていった。そうよね、毎日この店に来ている人はたまごサンドは食べないよね。この喫茶店のカウンターでモーニングを食べることが、あのご夫婦のルーティンなんだろうなあ。

さて、ここまで「殿上人か?」というくらい優雅な我々であるが、滞在中の平日は午前中のみ仕事をせねばならない。喫茶店を早々に後にして、仕事にとりかかる。12時半ごろに仕事を終えて「さて今日はどこへ行こうか」と話しあう(以後、金曜日までこの流れが定番となる)。

T女史が「コレクション」に行きたいというので、その日は大学界隈を散歩することにした。

京大界隈と、「カフェコレクション」

「カフェコレクション」は、京大北門すぐそばの昔ながらのカフェだ。

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刮目して見よ、この趣深い店内を。趣深いのはこの内装だけではない。注文を待つ間、スマホではなく本を読む京大生(頭を抱えるなど、若干挙動不審)が3名ほど。我々が入店してから出ていくまで終始、初々しい会話を繰り広げていた京大生カップル(ブルーベリーヨーグルトを追加注文していた!水だけで粘らないのね、えらいぞ)。

若干浮世離れした(褒めている)京大生たちによって、この店の唯一無二の雰囲気が醸成されているのだ。

T女史と私はオムライスを注文した。S・M・Lのどのサイズでも値段は変わらない。京都という町は、学生にとことんやさしい。

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この質実剛健なオムライス。こういう、シンプルなオムライスこそ料理人の腕がごまかせない気がするんだよなあ。潔くておいしい、コレクションのオムライス。

T女史は私よりも思い入れが一段と深かったようで、ひとくちひとくち噛みしめながら無言で味わっていた。

私はというと、前述の京大生カップルを見て「京大の男子は”女性を奥に座らせる”というマナーをいつ知るのか?」というくだらないことを考えていた。

食べ終えて「これ以上長居したら情緒がおかしくなる」ということで、これもまた思い出の地である「哲学の道」へ繰り出した。

哲学の道界隈を散歩する

哲学の道へ向かう道中、大文字山を覆っていた霧が晴れてきた。深い緑の美しさに涙が出そうになる。

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雨に濡れる哲学の道も味があって良い。

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おしゃべりしたり、蛙の鳴き声の出どころを探したり、すれ違う地元の小学生たちに「前世でどんな徳を積んだら銀閣寺界隈にお生まれになれるのかしらん?!」と嫉妬したりしながら歩いているうち、あっという間に哲学の道の終点・南禅寺付近に到着した。

そこで折り返して、哲学の道から少し山寄りの、安楽寺や法然院の前を通るルートで後戻りする。

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静寂さが心地よかった。

素敵な洋館「NOANOA」でティータイム

白川通を西に進み、T女史思い出の店「NOANOA」にやってきた。彼女曰く、もともとここは日本画家が蒐集品を保管するために建てた洋館で、この50年ほどは西洋レストランをやっているそうだ。T女史は卒業前に仲良しの女友達とこの店でオードリーヘップバーンごっこ(ローマの休日のオードリーヘップバーンの格好をしてディナーをすること。粋か。)をしたそうだ。

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季節の花々が咲き乱れるお庭、建物、すべてが美しい。ハーブティーもとってもおいしい。お庭のハーブを使っているのかしら(つられて書き言葉さえ上品になる)。

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庭を眺めながら、2杯目のハーブティーをいただいて、2時間ほどのんびりする。花瓶のお花が気になって、前日に吉田(T女史との共通の友達で、数少ない京都現役居住勢。言語学専攻。)が教えてくれた「ハナノナ」というアプリでお花の名前を調べたりもした。ああ、なんと優雅な月曜日。たとえ午前中は仕事をしていたって、私は殿上人だわ。

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NOANOAをあとにして、疎水沿い~御影通りを散歩した。T女史と私はかつてこの付近に下宿していた。お互いの下宿の前を通り、「今はどんな学生が住んでいるのかねえ」と話しながら、感傷に浸ったのだった。

晩ごはんは大好きな「いの田」へ

さて、この日の晩ごはんは出町柳商店街の突き当りにある「串焼き いの田」へ。私の大好きなお店の一つで、T女史の3大好物「だし巻き」がとてもおいしいので7日間のどこかで絶対に行きたかった。年季の入った赤提灯の戸を開くと、

ああ~~ここが竜宮城ですか?!?!?!

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吉田も合流し、3人で欲望のままに食べる。とろっとろのだし巻き。カロリー爆弾ポテハムカツ(おいしくないわけないじゃん!)。じっくり焼かれた焼き鳥たち。当然、卓上には山椒がある。

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そしてとうもろこしの天ぷら!とうもろこしの天ぷら界でも、いの田のそれはヒエラルキーの最上位に位置する(私調べ)。ザクザクした食感と、衣にしっかり味がついていて、何個でも食べられる。お行儀が悪いと自覚しつつ、名残惜しくいつまでもしゃぶってしまうのだ。

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この日も何を喋っていたのか全く記憶にないが、永遠に楽しかった。

それにしても、今日は朝から晩までたまご料理ばかり食べたなあ。

3日目はこちらから


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