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ヨーグルトの日

楽しみにしていたトンカツを食べに行く途中なのに、何故か急に胸騒ぎに襲われたずんぐりむっくり。彼は事もあろうに路上でタバコを取り出した。

彼の体内では、好中球胞の兄弟たちを打ち負かし、彼らを取り込んだアテローム軍団が一丸となって、ずんぐりむっくりの血管を攻撃した。

気分を落ち着けようと一服したニコチンはずんぐりむっくりの冠動脈を収縮させ、アテローム軍団をマスマス活気付かせ、

命とりの一服となった。こうしてずんぐりむっくりは心筋梗塞の発作を起こし、その場にもんどり打った。

彼は倒れるときになぜか、容量が良く、誰からも好かれ、幸福度の高そうな、だから大嫌いで生き別れのような状態になっている弟の顔を思い出した。

ずんぐりむっくりは病院のベッドの上で大きなくしゃみをした。その時、彼は粥状の米粒と小ちゃな蜂が鼻から飛び出したのを見た気がした。

そういえば、蜂のような蝿がいると前にネットか何かで見た気がしたなぁとのんびり思った。

そんな物が見えたのは、看護師の持ってくるカラフルな数種類の薬のせいと思って気にもとめなかった。

それよりも今、何十年振りかで対面している弟、薄っペラ男にどんな表情をしたらよいのか?何を言ったらよいのか?とドギマギしていた。

つづく

大変貧乏しております。よろしかったらいくらか下さい。新しい物語の主人公を購入します。最後まで美味しく頂きます!!