パンタロン　
1970年代にパンタロンという裾広がりのズボンが流行りました。
北海道の私の通っていた小学校でも、
クラスの女の子たちは　みんなパンタロン。
赤や黄色、チェックや花柄など。

パンタロンが欲しい～！！
私と姉もパンタロンが欲しくてたまりません。
でも、父は派手な服装をこのまず、
また　おしゃれのための出費は無駄なお金だと考えていました。

逆に母は　私たちに人並な服装をさせたいと思っていたようです。
ある日　私に赤い花柄のパンタロンを買ってくれました。

それを家に持ち帰ると、
父は　怒り出し、
”戻してこい！！”の一言。

やっと買ってもらえたと思った赤いパンタロンは　そのままお店に返されました。

それから、しばらくの間　私たち姉妹は　今までと同じように　裾のすぼまった　紺色のズボンをはいていました。

やっと買ってもらえた
ある時、母は私たちにそれぞれパンタロンを買ってくれました。

夢にまで見たパンタロン。
ベルトまでついていて、何度も閉めたり外したり。

それは　赤や黄色ではなく紺色でしたが、
私たちは　もう十分に満足。

そのパンタロンをはいて　堂々と学校へ行きました。
　
うれしかった。！！

その時は父は　
買ってきたものを、返してこいとは言いませんでした。
紺色で派手ではなかったからでしょうか。

それとも、これがパンタロンだということに気づかなかったのか、または、もうそろそろ買ってもいいと思ったのでしょうか？？？

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