エントロピーとクリエーティビティ
生命とは何かを定義をしようとしたとき、いろいろな方法がありえる。恒常性や成長、生殖能力の有無などで定義する方法があるが、自分がしっくり来ているのは、「エントロピーを意図を持って逆行させる能力があるもの」が生命であると捉える考え方である。
そもそもエントロピーとは何か
ChatGPTにギャル語で説明してもらうのがわかりやすいので、その結果を引用する。
エントロピーを逆行できるのが生物と捉える
波打ち際に作った砂の城は、いずれ時間と共に崩れていく。
砂は自然な状態では風や重力に従って地面に平らになるものであるが、意図と秩序と外的なエネルギーがあれば城という形をつくることができる。
何も手を加えられていない自然な状態がエントロピーの高い状態であるとすると、自然な状態からかけ離れた意図と秩序を持たせたものがエントロピーの低い状態となる。
エントロピーは何もしなければ必ず高くなっていく。これを逆行させ低くする能力を持つのが、この世界の中では、唯一、生命であると考えている。
永久機関が存在できない理由
自然な状態ではエントロピーは逆行しない。逆行させるには必ず外部エネルギーが必要である。これが永久機関が存在しない理由の一つにもなる。
ただし水力発電のように、太陽が持つエネルギーや地球が持つエネルギーの流れの中で発生する現象からエネルギーを取り出すことはもちろんできる。他にも一方向に流れ続けているエネルギーはいくつも存在するはずで、そこから利用可能なエネルギーを「フリーエネルギー」として取り出すこともできるはずである。永久機関とフリーエネルギーは別物のはずだが、フリーエネルギーまでもた永久機関の一種であるとして研究が自重されているような気がしないでもないがそれはまた別の話。
エントロピーとクリエーティビティ
さて横道に逸れたが、エントロピーを小さくするには、何らかの設計図や意図のようなものが必要になる。
砂の城の例でいえば、どういう城にしようかというのが意図であり、その方針がなければ砂は城になり得ない。
他の例、たとえば空気中の窒素について考えてみる。
窒素は安定した物資であり、固定化(窒素化合物化)するには、高温や圧力などの条件が必要であるが、菌や植物は空気中の窒素を固定化する能力を持っている。この変換が、この場合の設計図や意図にあたると言える。
そして人間について言えば、無秩序を秩序のあるものへと変換しようとしたとき、どういう形にしていこうかという設計図を作ることがクリエーティビティと言える。窒素を固定する菌は、窒素を固定化することしかできないが、人間は道具を使って他の元素を変換することもできるし、それを考え生み出すこともできるのである。
エントロピーが高い状態からエントロピーが低い状態へ移行させるには、どういう状態にしたいのかというなんらかの指針が必ず必要となるが、その指針を設計できるのが人間の能力であり、またそれがクリエーティビティの源泉であると捉えている。
定義と世の中の捉え方の話なのでとくに結論はないが、思考を重ねる上で大事なトピックになると思い、メモに残しておく。
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