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私、絶対泣いちゃうよ



最近、よく泣くようになったと思う。


…とは言っても、悲しいからではない。

嬉しさや感極まって、という感じだ。


学生の頃の卒業式で泣いたことがない。
感動モノの映画やドラマも
泣いた記憶がなかった。

私はきっと、冷たい人間だ。
そう思っていた。


ところがどうだろう。

妹の結婚式に参列した時のこと。

バージンロードへ向かう扉が開かれた瞬間
胸がいっぱいになって涙が止まらなかった。
恐らく、会場にいた誰よりも先に泣いた。
主役の妹よりも早かった。

それが数年前のこと。

それからというもの、
子どものお楽しみ会の発表でも
自分の子のクラス発表じゃないのに、泣いた。
小さな子たちが一生懸命お遊戯している姿に
感動してしまった。それと同時に
可愛いものを見て感極まって涙が出ることを
初めて知った日だった。

また、
自分の子のクラスの発表が始まったら
カメラを構えたり(自分の)涙を拭いたり
忙しかった。


他にも感動モノドキュメンタリーや
某はじめてのおつかい番組、音楽など
もう段々自分に関係ないものでも
目頭が熱くなってしまう始末。


最近の友人の結婚式のことだ。


いつものように感極まって泣いていた私の横で
一緒に参列していた元同級生も同じように
ハンカチが手放せないでいた。

「歳とったからからかなあ、
涙脆くなっちゃったんだよね」

なんて話していた。


私の見解としては、
知らない間に加齢とともに
感性も育てられていたのでは、ということ。

確かにものごとに対する感じ方や
捉え方には昔と比べると変化があった。

映画なんかが分かりやすい例で、
幼い頃見ていた感じと、今見た感じでは
印象に違いがあるし解像度が上がって
もっと楽しめるようになった。

だからこそ、悲しい物語や辛い
ニュースの番組は耐えられずに
避けてしまうことも増えた。

泣かない人は冷たい人なのか、とか
泣かないといけないとか
そういうことは一切ない。

私も以前は泣かない方だった。
特に、感動するとか感極まるという現象が
いまいちしっくりこなかった。

気持ちが強い人もいるし、
感動するポイントの違いもあるし、
泣きたくないのに無理に泣くのも違うと思う。

これは人それぞれでいい。
物事の捉え方は人の数だけあるのだ。

きっと、
今後増えていくのは子どもに関する行事だろう。
子どもの卒業式とか成人式とか。


子どもの成長を楽しみにしている。


夫とそんなずっと先のことの話をしながら
私はいつも言う。


「私、その時になったら絶対泣いちゃうよ」


何があってもハンカチだけは
忘れないでおこうと思う。

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