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最後の転勤

 2008年7月、新潟時代の日記です。
 
 53歳で新潟に赴任して8年になるが、
意外にも親会社(鉄鋼大手)のトップから、
東京本社の某上場企業の社長を
引き受けてもらえないかと打診された。
勿論、打診は単なる形式、了解せざるを得ないのは
サラリーマンの常だ。 
 
 新潟では最初は苦労したが、2年程で業績が急回復し
7年後の現在はグループ内きっての好業績、
無借金の優良企業に変身した。
 
 業績が好転するにつれて、精神的、物理的余裕が生じ、
新潟の酒を楽しみ、新鮮な魚と野菜を味わい、
監視人とともに、近隣の散策、旅行、等、
新潟人ではないが故に、逆に新鮮な新潟を堪能出来た。
 
 数年後に社長を辞任して相談役になり、
横浜の自宅に戻るつもりだったし、
それが普通なのだが、人生は意外なことの連続・・・らしい。
 
 打診された会社は鋳鉄管製造の大手、
親会社が株式の30%を持ち、代々の社長を送っている。
この数年は業績不振で、原因は明らかに経営判断ミス、
粉飾決算まがいのこともしている。
30%程度のの持ち株で社長を送り、会社をダメにしている
との一般株主の不満が鬱積している・・・・らしい。
今の社長は精神を病み、出社出来ず、社長不在状態だとか。
諸般の状況から、立て直しは容易ではないが、
会社の立て直しなら○○(私のこと)、と言うことらしい。
 
 歴史ある上場企業だが、株価は低迷し株主の評判が悪い。
新潟より規模が大きく、面倒だが、深刻に考えても仕方がない。
まあ、なんとかなるだろうと軽く考えることにしている。
 
 就任は3か月後の10月、それまでに
新潟の次の社長を決めて、申し送りをする。
しっかりと後を継いでもらわねばならない。

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