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「君主論」4.君主はけちであるべき、

 マキャヴェリ「君主論」と自分の思うところ、その4です。
 
(4)君主はけちだという世評など意に介すべきではない。・・・・大事業な事業はすべて、けちとみられる人物の手によってしか成し遂げられていない。・・・・君主が気前のよいふるまいをするのは、かえってあなたに害になる、気前のよいという評判を通そうとすれば、必然的に散財から抜け出せなくなり、全財産を使い果たしてしまう。あげくの果てに民衆に重税をかけ・・・・
 
 
 君主を社長に置き変えると、社長はけちでなければならないという事になる。確かに、大部分の企業の社長は経費を使い過ぎる。交際費の大半は必要ないし、社用車も秘書も、ここでは書きにくいその他の諸々も、挙げればきりがないが、全て必要ない。社長が経費を使えば、他の役員も管理職も経費を使い、歯止めが効かなくなる。結局会社全体のコスト意識が希薄になり、業績が悪化する。
 
 またまた私事で恐縮だが、上場企業のトップに就任した時、社長室を廃止して大部屋に出て、社長秘書も社用車も廃止、全員の社用カードも廃止して、交際費は事前に申請することにした。それらが金額としていくら、というより社員のコスト意識の徹底のつもりだ。前の新潟の会社で当たり前だったので何の躊躇もなかった。
 
 大企業が系列の有力企業に社長を出すとき、自社の幹部役員を出すのが普通だが、出された当人にとっては、上りのポストであり、経費を使うのが当たり前、けちになることなど、思いもしない。系列企業に役員OBを出すべきではない・・・と思う。
 
 我家庭を振り返ると、けちを意識しているわけではないが、日々の生活は質素そのもの、監視人殿はブランド物やアクセサリー類に全く関心が無い。私には過ぎた嫁だ!

NHK100分で名著で解説されている。

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