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両親 12.母は大腿骨骨折

 2006年5月、母は大腸がんの手術から退院して一月後、今度は台所で転んで大腿骨を骨折した。大腸がんの手術前にかなり痩せていたし、年齢も84歳、当然ながら骨粗鬆だったのだろう。
 
 仕方がない、何時もの如く新潟から新幹線に乗り、横浜の実家近くの総合病院に見舞いにいった。整形外科医が、レントゲン写真を見ながら曰く、大腿骨骨のこの部分が、せん断してずれており、このままでは寝たきりになってしまう。従って、せん断部分の上を金属(チタン)に取り替える手術をする。肺に転移している癌も、そこそこの、落ち着きのようで、今なら、今回の手術には堪えられる程度の体力は残っているだろう。
 
 その後、大腸がんの除去をした外科の先生とも面談したが、手術により、肺癌が進行する可能性はあるが、やむを得ないだろうとのこと。医師は私と一緒に、病室に行き、母を激励してくれた。母は転移の事は知らないから、すこし、安心したようだった。ということで、直ちに手術し、経過は順調。
 
 一月半に及ぶ入院だったが、リハビリに励み、杖を使ってなんとか、歩けるようになったということで退院した。帰宅した時に、父が大喜びで、玄関で抱きついたそうだ。例によって、レンタルで父の家に泊まり込んで世話をしていた当家の監視人に言わせると、その日は、一日、いちゃついていたとか。91歳と84歳だが・・・
 
 私も、金曜の夜、実家に応援に行ったが、2人とも、盆と正月が同時に来た如く、喜んでいた。次の日には、テレビのチャンネル争いで喧嘩していたが、本当は、隣の部屋に別のテレビがあるから、それぞれ、勝手に見ればいいのだが、ま、ゲームをしているのだろう。

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