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あなたはどう死にたいですか

 文芸春秋5月号に、東大教授佐倉統氏が書いた、「尊厳死」提言、「あなたはどうしにたいですか」が参考になる。以前読んだ、久坂部羊「人はどう死ぬか」と主旨は同じだが、より具体的に尊厳死実現のための仕組みを提言している。
 
 以下、要点は・・・・
 
 発展し続ける科学技術と人間本来の能力とにギャップがある。今の「生命の維持」を目標とする医療方針は、「生きているだけ」の患者を量産している。尊厳死を認める法制化に向けて広く議論が起こることを期待している。

長寿命化が顕著


 鎮痛以外の積極的な治療をすべて中止する「消極的安楽死」だけでなく、医師が致命的薬剤の投与などにより、患者の死期を早める「積極的安楽死」まで合法化する国や地域が増えている。オランダ、ベルギー、ルクセンブルグ、コロンビア、カナダ、オーストラリア、スペイン、ニュージーランド、ポルトガルなどだ。隣国の韓国でも2018年に、死期が迫る患者の心肺蘇生、人工呼吸器の装着、透析、抗がん剤の投与などの終了を認める「延命医療決定法」が法制化され、20123年6月までに、約29万人がこの制度下で死を迎えている。
 
 自分の最期のあり方を「自己決定」して、延命治療は避けて、自然のままに最期を迎えたい」というのが「尊厳死」だが、「これくらいの治療はやってほしい」という事もあり、本人が希望する選択肢としても、細かく見ていくと「何が最も自然か」は一概には言えない。ゼロかイチかではなく、グレーゾーンの世界。完全な意味での「自然死」はもはや不可能。
 
 「本人の意志」に沿っていて、医師が良かれと思って安楽死させても、家族を含めた第三者にも分かる形で「本人の意志」を残しておかないと、トラブルになることがある。自分の意思を医者だけではなく、家族、あるいは信頼できる弁護士らと共有する。しかも人数は出来る限り多いほどいい。尊厳死法制化の前に、まずは「最期を考えるためのエージェント」を中心にした仕組みができたらよいのではないか。

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 日頃、監視人殿に「延命治療は断る」と明言しているが、それだけでは危いらしい。いざとなったら医師も監視人殿も、心おきなく尊厳死させてくれるように、作戦を考えねばならない。2人の息子にも、姉にも、その他の誰かにも明言し、趣旨を了解してもらい、文書にしておこうか。

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