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谷中の夏祭り

 2009年8月の日記です。
 
 人形町に住んで1年になるが、会社の本社を埼玉の工場事務所に移すことにしたので、10月に埼玉県の大宮に引っ越す事になった。
 
 残り少ない都心住いだから少しでも楽しもうと、昨日の午後、雲行きが怪しかったが、下町を散策すべく、妻殿と共に、取りあえず入谷に向かった。入谷で地下鉄から地上に出ると、雨が降っている。通りを隔てた鬼子母神に行くが、閉まっているし誰もいない。雨が強くなってきたので、取りあえずコーヒーを飲みながら今後を考えようと、ドトールに入る。
 
 監視人(妻)殿が、谷中でお祭りをしているから行ってみようと言うが、この雨ではどうかなと思いながら、暫しボケッとしていると、だんだん小ぶりになり、そのうち、殆どやんでしまった。外に出てタクシーで日暮里駅に向かう。
 
 タクシーから降りると、雨上がりのひんやりとした空気が、気持ちいい。駅から西に真っ直ぐ10分ほど歩くと、車止めがありその先が緩やかな下りの階段になっている。道幅は4,5メートルで、案内版には谷中だんだん坂と書かれている。京都の三年坂を思い出す。
 
階段を下ったところで道をふさぐようにテントがあり、チェロ、サックス、フルートのコンサートをしている。芸大生と書いてあるが、素人の私が聞いても上手くなく、疑わしい。
 
 その先に向かうと、道の両側に、竹細工の店、下駄屋、みやげ物店、1000円ブラウスを並べた店等が並び、いかにも下町らしく、監視人殿は大喜びだ。
 
 さらに歩くと、神輿が二基、道の真ん中に置いてある。周りにはっぴを着た男たちが、ビールを飲んだり、焼き蕎麦を食べたりして、小休止という感じだ。店の人や近隣の老若男女が大勢で喋り、お祭り気分を楽しんでいる。
 
 そのうち、勇ましい掛け声と共に神輿一基が担がれ、上下に激しく揺れる神輿の上に、男の子が格好をつけて立っている。
 
 その後、上野まで歩き、不忍池の蓮の花を眺めて、地下鉄で帰宅。2時間ほどたっぷり歩き、満足の一日だった。

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