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藤井君が久々に敗れる

 藤井君の今年度勝率は85%、普通では考えにくい驚異の勝率だが、それでも数字から言えば、10回の対戦で1度か2度負けている。ということで、昨日の変則ダブルの2戦目で久々に負けた。

 昨日は朝日杯の準決勝、決勝が行われた。持ち時間40分の早指し戦だから、テンポが速く見る人は面白い。午前の準決勝で藤井君の相手は糸谷八段、彼はプロになってから大阪大学文学部に入り、大学院まで進学して修士になっている。高校を中退した藤井君とは好対照だ。中盤までは五分五分だったが、終盤前に藤井君がリードを奪い、そのまま押し切った。

 午後の決勝まで時間があるので、義務のリハビリ散歩をしようと、人形町通りの本屋さんに行き、前日発売の文芸春秋三月号を買い、トモズに行きホカロンを購入、やや速足で散歩を終えて帰宅すると午後の対局には余裕で間に合った。

 午後の相手は昨年王座のタイトル戦を戦った永瀬九段(当時の王座)だ。藤井君には水をあけられてはいるが、伊藤匠七段とともに2位グループをなしている。終盤に差し掛かる頃から、永瀬九段がリードし、藤井君の際どい勝負手に的確に対応して押し切った。確率では藤井君には、4,5回に一回程度勝つことになるから、順当と言えば順当なのだ。しかしながら、私情では計算通り割り切れるものではなく、些か面白くない。感想戦など見ずにパソコンを閉じた。

 その後は暇になったので、読みかけの原尞「私が殺した少女」を読んで時間をつぶした。人物と情景の精緻な描写が続き、次々と新たな事実が出てきて飽きることが無い。夜寝る前に読み切ったのだが、最後の結末にいささか無理がある。意外な結末がサスペンスのだいご味ではあるが、この作品では意外性だけを追いかけて無理な筋立てとなり、それまでの丁寧な描写が私のなかでは色あせてしまった。

 今日は文芸春秋三月特別号で時間をつぶす予定だ。

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