だんだんと太陽が登ってくるのを感じながら布団の中でごろごろと朝を過ごす。天気予報をみると今日の最高気温は27度になっているけれどほんとうだろうか。昨日も最高気温は24度だったようだ。気持ちのいい天気が続く。思う存分ピクニックを楽しむしかない季節。クローバー畑にピクニックマットを敷いてぱしゃーん、お昼寝がしたい。

起き上がって窓を開ける。気持ちのいい朝の空気を部屋の中へ送り込む。掛け布団と毛布、えのきを干す。昨日持って出た保冷バッグも中を乾かすために外に出しておこう。土鍋に水で戻しておいた青大豆を移して火をつける。ここから2時間くらい静かに豆を煮る。温かい飲み物でも飲みながら台所に座って豆を眺めることにする。クロモジ茶に昨日買った番茶を少し加えてだしてみた。大口あけてバインミーを食べて噛んだ下唇に番茶がしみる。今回買った番茶は宮崎県産でほうじ茶っぽい味わいだった。わたしはなんせ九州贔屓なもので宮崎の文字に思わず手に取って買った。これまで九州のお土産でもらったものやアンテナショップで買ったものではずれたことが一度もない。前回の番茶は奈良県のものだった。奈良も大好きな場所。奈良の番茶は薬草っぽい風味が美味しかったな。番茶と言っても地域によって製法も違えば葉と茎の配合具合も違ったりするらしい。ほんとに全く違った味わいが楽しい番茶に釘付けになる。旅に出かけたらその土地の番茶とハチミツを買い集めていったら楽しいだろうなと思いを巡らせる。

豆を煮始めるといいにおいが部屋中に立ちこめてあたたかな気持ちになってくる。外から聞こえる鳥の鳴き声は今日はもにぎやかで心地よい。どんな話をしているのだろう。歌っているのかな。どこかの家からくしゃみの音も加わり面白くなってきた。静かな豆を見ながら飽きない時間を過ごす。

さて、お母さんに電話をする。昨日お父さんから聞いた話をさりげなく聞いてみよう。ここのところメッセージも既読だけだったけどやっぱり落ち込んでいたみたいだった。元気な声で電話に出たお母さんだったけれど、ここのところ耳が聞こえにくいと言う。‪ストレスなんじゃない、と言うとそうかもしれないとどばーっとここのところの悩みやもやもやを話し始めた。うまく弟に叱られた話も聞き出せて一緒にどうしたらいいか考えていく。弟の思いとお母さんの思いを聞いていると、お互いにいい関係を築きたいという気持ちが感じられていいなと思った。まだ新しい家族の形は始まったばかりなのだ。うまくいかなくて当然なのではないかなと思う。お母さんの発言や行動をきっかけにして、さらにいい方向へ進めるようになってきているのだと思うと、お母さんの暴走も無駄じゃないと思う。弟は妻を守り、自分の母親への配慮もちゃんとある。ひとりの人間として認めて信頼し合えるようになっていけたらいいなと思う。赤ちゃんの誕生をきっかけにして弟は親離れを、お母さんはついにようやくほんとうの意味で子離れをしようとしているのかもしれない。これから絶対によくなっていく、そう感じた。

お母さんと2時間くらい話している間に青大豆はいい具合にやわらかくなってきた。途中お昼ご飯を挟んで結局3時間くらい煮て火を止める。青大豆の粒を手で潰していく。ここが味噌づくりの一番大変なところかもしれない。袋に入れて綿棒でつぶしていってもいいのだけれど、洗い物を減らそうと手で潰していく。手を使って潰していくことで常在菌も加わってよりわたしの味になってくれるだろう。お昼ご飯に納豆を食べてしまったことに気づく。味噌を仕込むときは前日くらいから納豆を食べるのを控えると聞いていたのだった。納豆菌は麹菌をだめにしてしまうことがあるらしい。仕込みメモに納豆を食べてしまったことを書き入れる。このメモを頼りに来年の味噌作り2年生をしてみたい。来年作るときは少しくらい感覚を掴めているだろうか。

味噌を仕込んだら気が抜けて眠気がやってきた。マットレスを戻して横になる。窓の外、遠くに電車の音が聞こえる。静かな日曜日の午後。少し仮眠をとってみる。

夕方スーパーへ買い物に出かける。特に必要はなかったけれど、散歩がてら行ってみる。暖かすぎて朝から短パンで過ごしている。足がすーすー気持ちがいい。神社を通って駅前のスーパーへ。黒千石の納豆を買う。産直市場にお水を買いに行ったらいきいきとしたほうれん草を見つけて手に取る。ハチミツもなくなっていたので買う。今日もピクニック日和だなと思いながら帰ってきた。
味噌づくりで満足したから今日は簡単に。ニラをたっぷり入れたごまラーメンにした。近ごろニラが美味しい。体が求めている味だと感じる。ニラを食べながらなぜか春を感じる。スイセンに似ているからだろうか。スイセンだったらえらいことになるけれど。春のニラは香りもよく元気が出る気がする。実家ではつくしとふきのとうが採れたと言っていた。ここからフキ、こごみ、わらびと春の山菜祭りが続く。山菜がたくさん採れたら天ぷらにしなくちゃな。実家に帰りたくなってくる。

お風呂とストレッチを終え机に向かう。昨日の絵の続きを描いて完成させる。松本民芸館の窓から見えた景色。遠くに晴れた空と山がみえ、いくつか家が立っていてすぐ手前には黄色い世界が広がる。11月だから菜の花ではないはずだけれど。もしかするとぶどうの葉が紅葉していたのかもしれないなと思いながら描く。1時間くらいで絵は完成した。今回は2日かけてしまったけれどまた明日は新しい絵を描こう。

今日は確かに最高気温27度だった気がする。夜になって毛布に包まると気持ちがいいくらいの気温になってきた。気持ちの良い天気が続いている。絵を描くこと、家事をすること、明日も気持ちのいい楽しいことを続けていく。