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【ラントレ】トレーニングの走行距離(時間)を考えよう

ランニングの効果は運動強度と距離や時間(回数)で決まります。どのくらいの距離や時間を走れば良いのでしょうか。


週間走行距離(時間)

週間走行距離は、1週間(7日間)で走った合計の距離です。ランニングの計画は1週間単位で考えます。

運動習慣の無い場合

運動習慣がなくウォーキングやランニングを始めら場合は、まずは習慣化を目指しましょう。

走る距離は気にせず1週間の内3日間走ることから始めましょう。なるべく3日連続走って4日連続休むということはせず1日〜2日おきにしてください。

例えば平日の2日、土日の1日走ろうと決め、
平日、出勤時に最寄駅まで走るとか、会社のビルの階段を登るとかし、休日は公園まで走って帰ってくるとか、遠くの飲食店に食事に行くついでに走って行くとかで良いです。
私は好きなアーティストのアルバムが出たらiPodに入れて曲が1周するまで走るとか、会社でむしゃくしゃすることや悩みがあったら走ってスッキリさせるとかそんな感じで走ることの抵抗を減らしていった感じです。

徐々に週5日から6日は走れるように増やしていきます。

心身の健康維持が目的の場合

週間210分から280分(1日30分から40分程度)のランニングが健康維持の目安になります。

心身の健康のために推奨される時間としてWHOは呼吸の速くなるような運動を成人では1週間で150分〜300分、子どもでは1日平均60分を推奨しています。

WHO「要約版WHO身体活動・座位行動ガイドライン(日本語版)」


スポーツ庁では中之条研究から1日プラス10分の歩行で病気を防ぐことができると紹介しています。最大で12000歩の内40分の中強度の運動で様々な病気が防げます。1日40分、1週間で4時間40分(280分)の早歩きやランニングが効果があるということです。

スポーツ庁「数字で見る!たった「10」分プラスで病気が防げる?」

なお、毎日少しでも運動することで効果がありますので、30分運動しないといけないと構えず、5分でも10分でも体を動かすことが重要です。

マラソン大会を目指す場合

あくまで私の経験則になりますが、マラソン大会に参加して完走を目指すのであれば、1週間でレース距離と同等の距離が走れるようになることが目安になります。

フルマラソンを完走するなら1週間で42.2kmを継続して走れる体力を作ります。
1週間のうち1日は2時間走れるようになると良いでしょう。

100kmウルトラマラソンを完走するなら1週間で100kmを走ることになります。

運動強度などによって時短トレができますし、通勤時に歩いたりビルの階段を登るのでもトレーニングになりますが、最低でもレース距離の半分は走った方が良いです。

また記録を伸ばすなら高負荷なトレーニングを積むために走る距離やメンテナンス時間などランニングに関わる時間を更に伸ばして行く必要があります。

フルマラソンならば週間64kmは走れるように増やしていくことになります。


週間距離の増やし方

マラソンの大会に出ようとなるとレース距離を走れるように走行距離を延ばしていく必要があります。
トレーニングを継続する、故障しないという観点から同じ負荷で4週間以上トレーニング継続後に少しずつ距離を増やしていきます。

10%ルールというのがあるようです。
週間40km走ったなら、翌週は週間44km走れるということです。

20%を超える距離を増やすと故障リスクが増えるという研究もあります。
週間40km走り翌週は48km走れることになります。

ジャックダニエルズの「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」では1週間のランニング回数×1.6km(最大16km)を4週間後に増やせるとあります。1週間で3回ランニングして40km走ったなら、3×1.6kmで翌週から4週間は週間44.8km走ることができます。


80:20の法則

経済学のパレートの法則から、マラソンのレース結果の大部分はトレーニングの20%が生み出すということで、20%は高負荷なトレーニングをしっかりやろうということです。

1週間で100分のランニングをするなら20分は運動強度を高いランニングにします。

しかし、マラソンにおいてランナーの多くはインターバル走とか高負荷トレーニングばかり目がいって低負荷トレーニングを蔑ろにし故障を抱えるケースが多いことなどから「低負荷なトレーニングを80%やることが大事だ」というニュアンスが大きいかと思います。

高負荷トレーニングを多く実施するために、高負荷トレーニング後の疲労回復を促すため翌日は身体をほぐすように低負荷ランニングを行います。また、より高負荷なトレーニングを実施するために持久力強化で長時間の低負荷ランニングを行います。

注意なのは運動強度の高いランニングは、それに耐えうる身体ができてから行うということです。
フルマラソンを目指すなら週間走行距離を42km以上に増やすことを先ずは目指すことが大事だと思います。

人類最高のランニングエコノミーを持つと言われるキプチョゲ選手も地味なランニングをコツコツと熟して強くなっているといことです。

International Olympic Committee「キプチョゲのトレーニング革命:いかにスロートレーニングはオリンピック王者を最速にしたのか!?」


1日に走れる最大の距離

フルマラソンの大会に参加するとなると長い距離を走るレースの特性上、長く走るロング走は有効なトレーニングです。
30km走をしないといけないとか、40km走が良いとか耳にすることがあると思います。

しかし、フルマラソンを全力で走ると筋力の回復には最短で1週間から10日必要です。内臓疲労をすると1ヶ月も体は回復しません。
長く走ることは負担が大きいのです。

では、ロング走はどの程度走るのが正しいのでしょうか。

ジャックダニエルズの「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」ではウルトラマラソンをするようなランナーではない限りは、運動強度65%〜80%のランニングで週間走行距離が64km以下なら週間走行距離の30%、それ以外は25%(最大150分)とされています。
週間走行距離が42kmで6分/kmペースで走れるのであれば、週間走行距離の30%の12km(72分)になります。
また、フルマラソンのレースペースでは週間走行距離の20%(最大29km)とされています。

マラソンやウルトラマラソンのトレーニングの岩本式で有名な岩本さんは月間走行距離の1/6が目安としています。
週間42kmなら4週間で168kmなので28kmとなります。

30km走をフルマラソンのトレーニングで実施するならかなり走り込んでいるランナーになるので注意しましょう。

3%理論

フルマラソンを走るようになると次の目標として野山を走るトレイルランのレースに参加を考える人も多いと思います。

トレイルランは山を登るランニングです。
トレーニングとして常に月間走行距離の3%の垂直方向へのランニングを常に意識する必要があるというプロトレイルランナー鏑木さん著書の「鏑木メソッド」で語っている理論です。

月間で走行距離が168kmならば獲得標高は合計で5000mは必要ということです。1週間(1ヶ月を4週とする)だと42kmで1250mです。単純にいうと週1回のロング走で箱根駅伝5区を走る感じです。

また、レースの1ヶ月前までの走り込みの期間に目標レースの平均傾斜以上の練習を積むことが必要とされています。

4月末にある国内最大級のトレイルランレースMt.Fuji100であれば、166kmで獲得標高7000mなので平均傾斜は4.2%です。
2月、3月で1週間あたり100kmを走るならば獲得標高4200mのトレーニングが目安になります。
冬期で登れませんが、単純に富士山の御殿場口を2回登って降りてくる感じです。

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