他業界・他職種からITエンジニアに転職して5年が経過しました。

こんにちは、にの(@ninomiya_hy)です。

他業界・他職種からITエンジニアへの転身に挑戦し、2019年にインフラエンジニアとしてキャリアをスタートしてから、あっという間に5年が経過しました。キャリアの初期は1年ごとに1年間の振り返り記事を書いていましたが、3年目あたりからは公私ともにやや慌ただしい日々が続き、気づけば3年近くも空いてしまいました。

先日、転職をしてからしばらく経ち、落ち着いて時間を取れるようになったので、久しぶりに振り返り記事(兼 転職エントリ?)を書いてみました。3年目あたりまでに過去の記事で触れた内容についても「これまでのあらすじ」で簡単にまとめており、過去の記事は読んでないよ…という方でもある程度は文脈がわかるようにしているので、よろしければこちらも斜め読みしていただけると幸いです。


これまでのあらすじ

非IT業界時代〜エンジニア転職準備時代

  • 非IT業界時代

    • 最寄駅から車で1時間のちょ田舎にて誕生

    • 高校1年の春にインフルエンザ、夏に腰の故障で学業も部活も軽く挫折

    • 高校2年から就職コースに転向し、簿記・電卓・ワープロを習得

    • 高校卒業後、インフラ企業に事務職として入社

    • 概ね2年周期で転勤を重ね、人事・労務・総務の仕事を広く経験

    • Excel関数とExcel VBAで事務処理の効率化・自動化に勤しむ

    • 2018年頃の駆け出しエンジニアブームに乗り、エンジニア転身を決意

    • 8年半の勤続期間を経て退職し、エンジニア転職に向けた学習を開始

  • エンジニア転職準備時代

  • どちらかといえばプログラマ志望だったが、強いこだわりはなかった

  • ご縁があり、AWS案件への参画を前提としてSES企業の内定をいただく

SES企業時代(エンジニア1年目〜)

  • SES企業にインフラエンジニアとして入社

  • 大まかに以下の業務に従事

    • AWS設計方針策定に関する調査・資料作成

    • StepFunctions、Lambda、Pythonを利用した運用自動化ツールの改修

    • Infrastructure as Codeの技術調査・検証

    • 小規模(EC2、RDS)のインフラ構築

  • 紆余曲折あり、プロジェクトの体制変更のタイミングで退職を決意

  • ご縁があり、CIer企業の内定をいただく

CIer企業 メンバー時代(エンジニア2年目〜)

  • CIer企業にインフラエンジニアとして入社

  • AWSの設計構築・運用保守を担当するチームに配属

  • コロナ禍の影響により、入社後間も無く在宅勤務を開始

  • 大まかに以下の業務に従事

    • 詳細設計:ヒアリング、パラメータ決定、付随する調査など

    • 構築:主にTerraformを利用

    • 監視設計・設定:主にDatadogを利用

    • 運用保守:設定変更作業、問い合わせ対応、障害二次対応など

  • 第一子が誕生し、癒されたり悩まされたりする日々が始まる

  • 翌年度から、同じ部署の別チームのリーダーになることが決定

ここから本編

始まりま〜す。

CIer企業 リーダー時代(エンジニア3年目〜)

別のチームの元リーダーが昇格して空いたポストに、私がスライドして就任する形の人事異動であったため、これまで慣れ親しんでいたチームからは離れる形となりました。(正直ちょっと寂しかった…)

新たなチームメンバーのほとんどはこれまでの関わりが薄く、担当するお客様も全て初対面であったため、いきなりリーダーとしてスタートすることに少なからず不安はありました。が、実際にチームに入ってみると、ベテランからジュニアまで多様かつ穏やかなメンバーが揃っており、様々なことを教わりつつ、安心して業務を進めていくことができました。

メンバーからリーダーに変わったことによる変化

時期にもよりますが、メンバー時代のリソース配分は、既存案件の運用保守業務が3〜4割程度、新規案件の設計構築業務が6〜7割程度だったのに対し、リーダー就任後は、運用保守業務の部分が概ねリーダー業務に置き換わったような配分となりました。リーダー業務としては、大まかに以下のような対応をしていました。

  • 1on1、人事評価・フィードバック、労務管理、KPI管理、採用

  • 比較的小規模な新規案件の見積もり、チーム内案件の顧客折衝・進捗管理

  • メンバーの作業のレビュー・承認、その他業務面のサポート

特に1点目の項目に関しては、非IT業界時代の人事等の業務経験が多少活きる部分もあり、全体的にも大きな戸惑いはなく進められました。採用に関しては、カジュアル面談や新卒採用・中途採用の面接官なども担当し、これから入社されるかもしれない方とお話しする場が純粋に楽しくもあり、経験としても良いものであったと感じています。

運用保守業務に関しては、基本的にはメンバーにお任せする形で、業務繁忙時や行き詰まった時に支援する役割となりました。(割と常に業務繁忙時だったような気もするけど…笑)。チーム内の各メンバーの案件に跨って技術的な調査やトラブル対応を行うことには、相応の苦労もありましたが多くの経験を積みやすく、非常に美味しい立ち位置だったと思っています。

設計構築業務に関しては、インフラ側のリーダーとして参画する機会が増え、いくつかの案件では比較的小規模ではありますが、非機能要件定義や基本設計にも携わることができました。また、自社の開発チームやデザインチームと連携して取り組む案件などもあり、仕事の幅と楽しさがより一層広がっていくことを感じていました。

AWSに関しては、メンバー時代はEC2、RDSなどの比較的オーソドックス(?)なものを中心に対応してきたのに対し、リーダー就任後はECS、API Gateway、Lambda、DynamoDB、Codeシリーズなどにも携わる機会が増えました。Direct Connect、Site-to-Site VPN、Client VPNなどもメンバー時代に触れる機会がなかったため、自身が担当する案件とメンバーが担当する案件の両方を通じて、現場での実践を積み重ねながら適宜キャッチアップしていきました。社内のノウハウやAWS公式が提供している各種ハンズオンなどにもかなり助けられ、比較的広く利用されているAWSサービスに限れば、ある程度の知見は身についてきたと感じています。(でも、機械学習系は未だに何も分からない…。セージくん、君のことやで…)

監視設計・設定に関しては、New Relicを利用する機会が増えましたが、Datadogにも引き続き携わっていました。RUM、APM、Browser Testsなどのよりアプリケーションに近い機能や、Sensitive Data Scanner、CSPMなどのセキュリティ系の機能にも触れることができました。オブザーバビリティやDevOpsなどに関心を持ち始めるきっかけとしても良かったと思っています。

転職活動を始めたきっかけ

複数の案件に参画して多種多様な経験を積むことができ、それなりに順調な日々を過ごせていると感じていた一方で、悩んでいたこともありました。1点目はキャリア形成に関すること、2点目はワークライフバランスに関することでした。

1点目のキャリア形成に関しては「AWSのサービスに関しては設計から運用まで一定の知見があり、数年のリーダー経験もあるインフラエンジニア」という状況にはなったものの、特に実際に手を動かす部分の経験値や、データベースやアプリケーションに関する知識については手薄で心許なく感じており、次のステップとしてどういった道に進むのが良いかについて悩んでいました。実現性はさておき、転職をしない前提で今後のキャリア形成の選択肢を考えてみると、

  • 現在の所属のまま、マネジメントスキルを伸ばしマネジャーを目指す

  • 現在の所属のまま、より一層技術を追求しスペシャリストを目指す

  • プリセールス・PMO系の部署に異動する

  • 開発(バックエンドエンジニア)系の部署に異動する

などが思い浮かびましたが、自分のやりたいことや適性を考慮するとどれが最適なのかなど、なかなか答えが見つからずに悶々とする日々が続いていました。

2点目のワークライフバランスに関しては、裁量労働制で比較的柔軟な時間の使い方ができる点は非常に助かっていたものの、残業時間(厳密には、みなし労働時間を超過した労働時間)が(私の感覚では)やや高めで推移している状況に負担を感じていました。残業の負担感は個人差があると思っていますが、当時の私の主観では以下の印象を抱いていました。

  • 子供が一人の現状でも、家事・育児などに皺寄せが出る

  • 少なくとも、業務外の学習時間か睡眠時間は確実に削る必要がある

  • 仮に子供が二人になると、上手く回せるイメージがあまり湧かない

  • いずれ解消されるのであれば良いが、延々とこの状況が続くのはしんどい

人によっては「え!?全然余裕では!?」「確かにちょっと多いかもねぇ…」と反応が分かれそうなラインなので、上手く回せる人は回せる範疇な気もしますが、私のバイタリティーやタイムマネジメントスキルでは少し難しそうでした。(もっと筋肉を鍛えておけば余裕だったのだろうか…)

メンバー時代の残業は月当たり10時間程度だったので、業務外の学習や業務改善などにも時間を割くことができていましたが、リーダー就任後は目の前の仕事に追われてしまい、将来に向けた+αの投資活動が思うようにできなくなっていたことに対し、歯がゆい気持ちを抱えていました。

詳細は省きますが、一応、残業を減らすために色々と試行錯誤はしていました。が、良い結果は出せませんでした。(未だにPMBOKを読んでないのが原因かな!!)

上記の2点は過去から細々と悩んでいたことで、これらを理由に転職に踏み切ろうとまでは全く考えていませんでしたが、少し背中を後押しする出来事もあったため、社外にも視野を広げてみようと考え、ちょうど以下のポストをしたあたりから転職に向けた情報収集を始めることにしました。

転職活動開始〜内定承諾

転職活動においての希望条件は、以下としました。

  • 平均残業時間が現状以下〜月10時間以下程度

  • 年収が現状▲100万円〜現状維持の範囲

  • 職種はインフラエンジニアまたはSRE

  • フルリモート勤務(現状維持)または通勤1時間圏内

  • 自社サービス企業の場合、プロダクトが自分が使いたいものまたは友人に勧めたいものであること

  • 受託企業の場合、特定のお客様やプロダクトに集中して価値提供しやすい体制であること

  • インフラ以外の技術領域(開発など)にも関わりやすい体制であること

リーダー業務は嫌いではないため、もしチャンスがあれば将来的にリーダーやマネジャーを目指す可能性はあるものの、一旦はメンバーとして経験を積み直すことが今回の転職の目的の一つでもあったため、ある程度の年収ダウンは許容する必要があると考えていました。(自身の市場価値にあまり自信がなかった、というのもあります)

また、自社の開発チームやデザインチームと連携して取り組む案件や、特定のお客様に注力する案件で、より一層の手応えとやり甲斐を感じていたため、複数の案件を同時にこなしていくよりも、特定のお客様やプロダクトに集中して太く深く関われるような環境が望ましいと考えていました。

転職活動においては、主に以下のサービスを利用しました。

Greenに関しては過去に登録済みで、CIer企業への転職時にも活用していましたが、その他のサービスは新たに登録しました。転職エージェントを利用するのは初めてでしたが、情報量も多くそれなりに良い体験ができました。スカウトや提案は、コンサルティングファーム、CIer、自社サービス企業のSREあたりが多かった印象です。(変わり種としては「人事労務マネジャー候補!」みたいなものもありました。数十年後にはそんな未来もあったりするのだろうか…ないか…)

提案をいただいた中には興味のあった有名な企業も含まれており、募集要項を見る限りではスキルセット的にも辛うじて望みがありそうだったので、入念に下調べをした上で意を決して応募してみました。結果としては、書類選考は通過したものの一次面接でお見送りという残念な結末でしたが、企業研究などの転職活動の進め方の感覚を掴むことができ、良い一歩目だったかなと思っています。

その後、転職活動を進めていく中で「自分自身で希望条件をもとに企業を探し、良さそうだと感じた企業の方とカジュアル面談などでお話した上で選考に進む」という流れが最もしっくりきたため、途中から応募媒体をGreenに絞りました。様々な企業の方とお話をさせていただくのは、自身のキャリアについて考える上でも良い情報を得ることができ、転職活動を進めるにつれて、自身のやりたいことが徐々に明確になっていったと感じています。

いくつかの企業に応募する中で、システム設計に関する面接試験でアーキテクティングのスキル不足を痛感したり、カジュアル面談という名のゼロ次面接でお見送りをいただいたりと様々なことがありましたが、最終的に現職の自社サービス企業から内定をいただくことができました。転職活動においての希望条件を振り返ると、以下の結果となりました。

  • 平均残業時間は月10時間以下

  • 年収は現状維持

  • 職種はSRE

  • フルリモート勤務

  • プロダクトが自分が使いたいものかつ友人に勧めたいもの

  • インフラ以外の領域にも関わりやすい体制

希望条件は全て満たしており、下がることを覚悟していた年収についても現状維持となりました。裁量労働制からフルフレックス制に変わった兼ね合いで、時給換算すると実質的には上がっているとも捉えられました。オファー内容には全く不満はなく、オファー面談時には実際にお仕事をする方々とお話しする場を設けていただき、職場の雰囲気の良さなども感じ取れたため、オファーを承諾することとしました。

退職申出〜引継ぎ

オファー面談の翌週に上司との1on1があったため、その場で退職申出をしました。転職活動を始めたきっかけは悩みや不満からではあったものの、最終的に気持ちが固まったのは前向きな理由からである点など、思っていたことは包み隠さず赤裸々にお伝えできたかなと思っています。

退職とは関係なく、リーダーとしての立ち回り方として、自身が直接的に手を動かす対応は極力控え、メンバーの後方支援や助言に徹することを心がけていたこともあり、引継ぎ事項は比較的少なく済みました。チームで担当しているお客様やチーム内の人事面に関する引継ぎと、主担当として参画していた設計構築案件の引継ぎを重点的に進めることとしました。

もともと「上期が終われば落ち着くはず…」と話していたような狭間の時期でもあったため、遅かれ早かれ退職するのであれば、この時期が最も影響の少ないタイミングだったのではないかと考えています。貯まっていた有給休暇も全て消化させていただき、送別会などでは「いつでも出戻り待ってるよ!」と温かい声をかけていただきつつ、(少なくとも私の目線では)円満に退職することができました。(退職後に発火した時限爆弾がないかは若干不安ですが!立つ鳥跡を濁してたらスミマセン…)

自社サービス企業時代(エンジニア5年目後期〜)

SREチームのメンバーとして入社してから、当記事の執筆時点で4ヶ月が経過しました。

仕事内容としてはインフラ業務全般を担当しており、プロダクトの基盤となるAWS環境の設計構築や運用保守などと並行して、AWSリソースの命名規則の整理やTerraform Moduleの作成などの足回りの整備にも取り組んでいます。これまで培ってきた知識も活かしつつ、最適な設計について改めて考えてみるのは、とても楽しい仕事だと感じています。

知識が手薄だと感じていたデータベースやアプリケーションに関しても、データベースの移行やDockerの自動ビルド・デプロイ用のGitHub Actionsワークフローの作成などの業務を通じて理解を深める機会が増え、良い経験ができています。オブザーバビリティ向上に向けた取組みなどはもう少し先の着手となりそうですが、当面は見えている課題に取り組んでいく形で、徐々にSRE領域の経験を積んでいくことができそうです。

会社の雰囲気も面接時とのギャップは特になく、非常に良好だと感じています。技術的な情報共有の場などもいくつかあり、会社の規模が比較的小さいことから、交流もしやすいと感じています。ワークライフバランスについても改善され、残業はほぼなくなりました。夕食後に「じゃー休憩終わったから、パパ仕事してくるわー」と言いつつ書斎に消えていくことも無くなり、(夕食後の洗い物もちゃんと毎日やるようになり)、ぱったりと止まっていた技術書の読みあさりも再開することができました。

総括して、良い転職ができたと感じています。

おわりに

エンジニア5年目までの振り返りは、以上となります。長文となりましたが、ここまで読んでいただきありがとうございました。

間も無く30代前半も後期に差し掛かるため、30代後半に入るまでには次のステップについても考えていきたいところですが、当面はいま走っている方向へ突き進んでいき、プロダクトの成長と比例して自身も成長していきたいと思っています。

この記事の中でよく分からなかったことや、聞いてみたいことなどがあれば、私のX(@ninomiya_hy)にご連絡をいただければ、お答えできる範囲で良ければ返信しますので、お気軽にどうぞ!


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