『やまびこの歌』

作詞　澤 祐典　作曲　澤 祐典

あるこう　あるこう
暗い夜道を　笑いながら　唄いながら

あの日はじめて　手に入れた
あのアニメの　カセットテープ　oh oh
そのメロディーに　やられていた

ひとりきりでも　期待はずれでも
地球はまわる　わたしをのせて　oh oh
そう　だから　だいじょうぶさ

何度でも聴いた　だいすきなメロディー
わたしを守る　いのちのうた

擦り切れるまで聴いて
音がかすれてしまっても
いまでも　響いてる

あなた想う　埋められぬさみしさは
あの山の向こうに　かくしました
泣きたくなる気持ちを　歌にして
その人の名前を　呼びました

どこからか　君の声がして
いくつもの　叫び　かなしみを
分け合えたね

時はすぎて　あの日のさみしさは
やまびこの歌に　なりました

あの山　ひとつこえ　ゆきませんか
思い出す　あのメロディー
わたしじゃダメかなと　問いかけて
帰らぬ返事（こたえ）を待ちました

届かぬ想い……

何度でも聴いた　だいすきなあのメロディー
繰り返される　いのちのうた

なんにもなくっても
声がかすれてしまっても
いまでも　歌ってる

めいっぱい　生きてゆこう
この世の果てまで
こぼれる愛の歌　いま
君に贈るよ

どんな急な　上り坂も
いつかは終わるから
ゆっくりでいいんだ
歌いながらいこう

そう、ゆっくりでいいんだ

あるこう　あるこう
ずっとこの道を
笑いながら　唄いながら

いこう

きょうお渡しした『あなたのうた』。

「幼い頃、ジブリ作品がとても好きだった」というお話をうかがったので、そのオマージュを随所に入れてみました。「カセットテープ」という言葉も久しぶりに使えて、うれしかったです。

ひとりぼっちでも、歌っていれば、こわくない。

子どもの頃、そんな気持ちで、暗い道を歩いた経験って、あるなあ、ぼくにも。あの心細さったらないよね。

ちいさな子って、そんなふうに誰にも言えないところで勇気をふり絞ったりしてるんだと思います。こわいものって、いっぱいあったもんね、あの頃。

でも、そんなひとりぼっちのちいさなぼくやあたしを、山や海や空はちゃんと見てくれている。そんな歌になりました。