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うちの奥さん。

うちの奥さんは、僕にとって一番身近で観察できる、面白い生き物だ。

たとえば、うちの奥さんは、時々ものすごく大きな声でひとりごとを言う。今日、洗濯をするときには「いらないね、いらないね」と言っていた。「えっ?」と反応するとハッ!として恥ずかしそうにする。だったら言わなきゃいいのに、油断するとまたひとりごとを言っている。いったい誰としゃべっているのかと何度か尋ねたけれど、教えてくれない。

僕はひとりごとを言うことがないから、その感じがぜんぜん分からない。あれは考えすぎると漏れてしまうのだろうか。いまも台所で野菜を切りながら、なにかムニャムニャ言っている。

あと、うちの奥さんは「ごろん」と言ってよく寝る。時には半日以上寝ている。どうしてそんなに寝られるのかわからないけれど、とにかくよく寝る。

起きると、髪の毛に豪快な寝ぐせがついている。それがいつも芸術的で面白い。ドラゴンボールの悟空のようでもあり、アイドルグループに群がるオタクの人たちのようでもある。

今日はあんまり書くことがなくて、身近にいるから奥さんのことでも、と思ったけれど、案外思いつくことが少ない。もっとある気がするんだけどな。

そんなふうに奥さんといっしょにいて、いつもなにかを見つけては面白がっている気がするけれど、なにが面白かったかをすぐに忘れてしまう。それでも観察していて飽きない人だ。

顔はハクション大魔王のアクビちゃんに似ている。数日前にそのことに気が付いた。結婚して五年目になるが、まだまだこんなふうに発見することがある。これからもいろいろ見つけていくんだろうなと思うと、ありがたい人生だ。

そうこうしてるうちに、夕飯ができた。ブリの焼き魚を焦がしてしまったらしい。その黒く焦げた魚を嬉々として撮影する僕に奥さんは「アップするなよ!」と言った。その言い方が面白くて、また笑った。

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