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新たに立ち上げたチームのプロジェクトマネージャーとしてやったことを振り返る

2023年はどんな1年だったかと振り返ると、プロジェクトマネージャーとして、中間管理職の楽しさと苦しさを味わい尽くした1年だったなと。これまでとは違う大変さを味わった1年でした。

30名のマネジメントということはフットボールクラブの監督がマネジメントする規模

僕がプロジェクトマネージャーを務めている第一生命「ミラシル」というプロジェクトでは、社員だけで11名、業務委託のメンバーが3名、パートナーも複数社サポートしてくれているので、合計30名ほどのメンバーが関わるプロジェクトです。

30名くらいが関わるプロジェクトリーダーというのは、フットボールクラブの監督と同じくらいの規模でしょうか。フットボールクラブの監督とはどんな感じなのか追体験出来た1年でもありました。

大変だったメンバー集め

まずはメンバー集めが大変でした。2023年4月以降は引き受けるプロジェクトの範囲が大きくなるので、チームの人員を大きく増やし、パートナーも増やす必要がありました。

メンバーを集めようとしても、希望するメンバー全員を集められるわけではありません。社内のメンバーは既に別のプロジェクトにアサインされていたりなかなかアサインの優先順位を上げてもらえず、メンバー集めは思うように進みませんでした。いろいろな人に頭を下げて、稼働が空いているか確認して、とにかく人を集めるのに必死でした。

したがって既に活躍しているメンバーを集めるというより、タイミングよく中途で入社してくれたメンバーにプロジェクトにジョインしてもらい、中心に据えるというチャレンジングなチーム編成にならざるを得なかったのですが、これが結果的には良かったと思います。先入観なく仕事に取り組んでもらえたこと、新しいチームをゼロから立ち上げることに注力してくれたおかげで、既存のやり方にとらわれずに進めることができたからです。

ただ1年間でこんなに体制図やRACI図を書き直したプロジェクトはなかったというくらい、何度も何度もチーム編成は見直しました。度重なる変更にメンバーは理解するのが大変だったと思います。

仕組みを作ってドキュメントで共有

チームが立ち上がってからは、行動基準や作業を進めるにあたって必要な手順をまとめたドキュメントを整理していきました。

プロジェクトの目的、どう実現させようとしているのか、何をやっているのかもドキュメントにまとめましたし、作業マニュアルも都度作りましたし、パートナーへの請求対応手順もドキュメントにまとめ、複数人で対応できるように仕組みを整えました。増えてきたドキュメントを一覧で把握できるような「取説」とよんでいるドキュメントも作りました。この作業は前述したリンク先で登場する永瀬さんが率先してやってくださって本当に助かりました。

自発的に取り組んでもらうためにいろいろやる

メンバーを集め、仕組みを整えたあとに取り組んだのは、メンバーが自発的に行動できるように責任範囲を明確にし、自発的にプロジェクトに取り組めるように働きかけることでした。

チーム編成当初は、自分が何気なく発言したこと、決断したことについて「プロジェクトマネージャーが話したことだから」「プロジェクトマネージャーが決めたことだから」と、盲目的に正しい意見だと思って従おうとするメンバーがいました。人の背後に隠れようとするのは責任を背負いたくないという意志の現れでもあります。どこまでの責任が背負えるのか、そして徐々に背負える責任や出来ることを増やしていくにはどうしたらいいか。普段からコミュニケーションを取りながら、少しずつ取り組んでいきました。

ユーザーのことを理解するための取り組みも、いろいろやってみました。僕は制作者が自分の経験無しに語る「ユーザーとは」みたいな言葉を疑ってまして、できるだけ自分で経験しないと血肉化しないので、できるだけユーザーに近い体験をするように促していきました。

ファイナンシャルプレーヤー3級の試験を受験してもらったり、保険の代理店窓口を訪問して自分自身に対する保険のアドバイスを受けたり、保険に入ってみたり、専門書を読んでみたり、できる範囲でユーザーになるための努力はしてみましたし、メンバーにも経験してもらいました。

こうした経験や体験が共有されることでプロジェクトメンバー間の共通認識が深まり、より対象とするユーザーの解像度も上がっていくし、クライアントとのコミュニケーションにも役立つのではないか。そんなことを考えて取り組んでいきました。

急いで立ち上げたけど課題もたくさん

メンバー集めて、仕組みを整えて、自発的に動いてもらうように仕向ける。こうした取り組みのベースには、2019年から2022年にかけて長尾彰さんや仲山進也さんに教えて頂いたことがベースになっています。

ただ2023年はプロジェクトを成長させていくベースを作るだけで終わってしまい、仕組みがきちんと機能しているか検証したり、アウトプットされたコンテンツが機能しているのか、面白いものが生まれているのかを検証する時間はありませんでした。あとは仕組みがきちんと機能していない部分も出てきているので、ここは随時改善しなければならないところ。

なにより、クライアントから依頼を受けて仕事に取り組んでいるので、成果を出さなければなりません。成果を出すという点についても課題が残りました。

ただメンバーの取り組みを振り返ると、出来る事が増えて成長したと感じる機会が増えました。メンバーの成長はプロジェクトの成長でもあるなということを学べた1年でもあるし、メンバーを成長させていくためにどうプロジェクトマネジメントしていくか。そんな事を考え続けた1年でした。

西原は近々プロジェクトから離れるので、こうした課題は後任や他のメンバーに託すことになります。プロジェクトを成長させていくベースはどうにか作れたのではないかと思うので、ここから成長させていくフェーズでメンバーには思い切って力を発揮してほしいと思います。

2023年は仕事を頑張った1年と言えるので、珍しく仕事のことを書いてみました。フットボールクラブの監督がやっていることに近い体験が出来たというのは今後のプラスになるはず。

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