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井上陽水が出演したCM「サントリーウィスキー角瓶」から伝わる色気

井上陽水が出演していた「サントリーウィスキー角瓶」のCMが、大好きでした。井上陽水さんはあまりCMに出たことがないミュージシャンなのですが、このCMは数少ないうちの1本。


このCMで、井上陽水は特にCM中何かを話すわけではありません。井上陽水の歌詞のような、意味があるのか、ないのかわからない言葉をナレーションに、お風呂の中でウイスキーを飲む。全く現実感がありません。80年代でも、こんな人はいなかったと思います。ただ、この現実感のなさがいいんです。色気のあるたたずまい、色気のあるしぐさが、CM全体の雰囲気にとてもマッチしています。

また、CMの美術設定がとても殺風景なのがまたいいんです。

家庭のにおいがしないキッチン、くすんだ壁、汚れた風呂場、暗い部屋灯り、独身男性の哀愁を漂わせる要素が、美術設定に盛り込まれていて、井上陽水の色気のあるたたずまいとしぐさを、際立たせていると思います。

そして、とどめは井上陽水の歌です。井上様子の歌は「新しいラプソディー」と「いっそセレナーデ」のパターンがあるのですが、僕は「いっそ、セレナーデ」のパターンが大好きです。

「いっそ、セレナーデ」の冒頭で歌われる、「あまい口づけ 遠い想い出」の箇所の歌声は、今聞いても「甘い」。そして、「色っぽい」。

こういう男性の「色気」を前面に出した、CMって作られなくなった気がします。「色気」のあるミュージシャンや俳優はいないわけではないと思うので、ぜひ実現させてほしいと思う次第です。

※この記事は2012年11月にnishi19 breaking newsに公開した記事を再編集して掲載しています。

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