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メダカもカビもゾロゾロと、生き物たちが動き始める。

ここ数日、暖かい日が続いている。
気付けば三寒四温の期間も過ぎて、春がやって来たという所だろうか?
集落に引っ越して、早1年。道端にはチラホラ桜が咲き始めている。まるで去年の4月を思い出すかの如く、今までの時間を振り返る。

昨年から、家主さんに借りていた畑は今年から近所に住む同僚家族とシェアする事になった。その関係で、その同僚家族が畑作業をしに毎週末、我が家にやって来る。いつも同僚と一緒にやってくる2人の娘さんは歳が小さいこともあって、挙動全てが微笑ましくて可愛い。しかし、その可愛さは15分経たずにどっしりとした疲れに変わる事を経験してから、世界中の子どもを持つ親御さんは凄まじいものだと考えさせられた。

ある日、同僚から「鉢の中にいるメダカ、元気だね!」と言われた。彼女は紛れもなく、庭先に置いてある水盤を指していた。確かに、私は昨年引っ越してきた時にメダカ5匹をその鉢の中に入れた。周りの自然が豊かであったことから、ほとんど世話をせずとも子どもが増えたりと、嬉しいことが続いた。しかし、秋頃に鉢の近辺にヤゴの脱皮があったことや、メダカの姿をほとんど見なくなったことから、てっきりヤゴに食われて5匹とも全滅したものだと思っていたのだ。まさかと思って、鉢の中を観察していると、2匹のメダカが日向ぼっこをするためか、水面近くで泳いでいた。

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私は5匹ともヤゴに食べられて全滅したと思っていただけに、2匹も生き延びていたことが嬉しかった。冬場は連日、鉢の中に分厚い氷が張っていたことも考えると、何とも言えない嬉しさがそこにあった。きっと彼らは、私が連れてきたメダカの子孫なのだろう。豊かな自然のお陰か、しっかり栄養を蓄えたメダカ達の様子に自然の凄さを感じられずにはいられない。

生き物たちがぞろぞろと動き始めた様子を肌身で感じる中、冷蔵庫の中でも同様の経験をした。昨年の秋ごろに、フェンネルとバターを混ぜ合わせて作ったフェンネルバター。それに青カビがビッシリ繁殖していたのだ。元々、料理をする時もあまりバターを使うことがなかっただけに、勿体ない気持ちがある反面、仕方ないと思った。
最初に青カビを見付けたのは、2週間ほど前。久しぶりに鮭とフェンネルバターのソテーでも作ろうと思い、バターケースを開けた。よく見てみると、表面に青緑色のフワフワしたものがあった。一瞬で青カビである事が分かったが、青カビはその1か所だったこともあり、その部分を切り取り、今まで通りバターは使った。万が一、全体的に繁殖していたとしても、ソテーの段階で熱消毒されるから問題ないと思ったのだ。
とは言え、青カビが発見されたバターの様子は気になっていた為、後日バターケースを開けて中身の様子を見てみた。すると、バターのあちこちで青カビが繁殖している様子が確認でき、すぐに「これはもう食べれない…」と感じた。結局、そのバターはバターケースごと処分することになったが、こんな所でも生命の動きを感じると思っていなかっただけに、驚きだった。

冬場は、手前味噌や麹などを自分で作り、菌の世界に面白さを感じていただけに、今回の青カビ事件も単純にショックを受けただけではない。例え、冷蔵庫の中でも生態系を維持するための活動が発生しているのだと考えると、私達が見えていないだけで、ありとあらゆる所で生命活動は発生しているのだ。そんな事に思いを巡らせていると、ふと昨年の6月頃に衣装ケースに入れていたズボンに黒カビが発生して、ショックを受けていたことを思い出した。つくづく、集落に引っ越してから自然との距離が近くなったように感じる。

柔らかな風も、少しづつ強さを増す日差しも、空気の匂いも、それぞれが春の訪れを感じさせる。少し開放的な気分に浸りつつ、夜な夜な焚火でもしてみたいと感じた。何故なら、この冬場に私は薪ストーブの火を付ける方法をマスターしたのだから。

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